四番目物 百万ひゃくまん 我が子にあふむの袖なれや 親子鸚鵡の袖なれや 百万が舞を見給へ 里人は大和国西大寺のあたりで幼い子どもを拾ったが、その子の気晴らしのために、大念仏を行っている嵯峨の清凉寺に赴く。門前ノ者が念仏を唱えると、百万と呼ばれる狂女が現れ、念仏の拍子が悪いと割り込んで、笹を
四番目物 邯鄲かんたん 夜昼となき楽しみの 栄華にも栄耀にも げにこの上やあるべき 人生に疑問を持つ中国の若者・盧生。彼は仏道の師を求めて旅をする途中、邯鄲の里で雨宿りをする。その宿の女あるじが、かつて仙人を泊めた時に御礼にもらった不思議な枕を見せて勧めるので、借りて昼寝をすることに
四番目物 花月かげつ 来し方より 今の世までも 絶えせぬものハ 恋と言へる曲者 七歳の子が行方不明になってしまい、それを契機に父は出家する。その父が都・清水寺に参詣した。案内を頼んだ門前の者から、花月という少年が面白く舞うことを聞き、呼び出してもらう。花月は自らの名前の由来を語り
四番目物 安達原あだちがはら 眞麻苧の糸を繰り返し 眞麻苧の糸を繰り返し 昔を今になさばや 阿闍梨祐慶という山伏が諸国を廻る中、陸奥国安達原で宿を借りる。宿の主の女は憂き世に生きる辛さを歎きながら、糸繰りの様子を見せてもてなすが、夜が寒いので、と薪を取りに行く際に、留守中にくれぐれも閨の中を