能meets北浜「融前後」スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

能meetsスタッフです。

6月5日(日)北浜RONDO 能meets北浜「融」曲解説

を開催しました。

なんと、前編と後編にわかれた2部制を1日で。
しかもゲストをお迎えして。
初の試みです。

6月12日(日)大の会「融」事前講座

もう2年前から待ってくださっている方、2年前に前半のみの講座をもうお聴きになった方、今の状況下で様々な想いをお持ちの方がいらっしゃいます。

それを踏まえて先生が考えられた今回の能meets北浜です。

日曜開催、更には大の会の事前講座という事で、午前も午後もたくさんの方にお越し頂きました!
本当にありがとうございます。

まずは

11時 融前~ワキは融をどう見るか~

ゲスト:ワキ方福王流 江崎欽次朗先生

依頼を受けてくださったときにすぐに江崎先生からスタッフにも「このような資料を考えています」と連絡をいただきました。
江崎先生には、前回の能meets能「国栖」では配信用のアフタートークにも出演いただきました。
とても真摯に取り組まれ、お話し方も(失礼ながら)とてもチャーミングで、林本先生とはまた違った魅力をお持ちの先生です。

お二人での初の能meets
なんと、事前の打ち合わせはほぼなく!
江崎先生が「その方が面白いでしょう」ということを林本先生に仰ったそうです。

最初は立ち位置に戸惑う先生方でしたが、やはり始まるとどんどんと相手の動きや言葉を聞きながらすぐさまその役割に徹していることがさすがだなと思いました。


登場の部分で
いつもは林本先生一人で実演されているワキの登場を江崎先生が実演。
とても贅沢だな感じました。
解説していたと思うと、すぐさま実演に、しかもシテとワキのやり取り…いつも以上に空気が変わったように思います。

お話を進めながら、要所要所で江崎先生の意見を聞いたり、実演をしたり。
その時に江崎先生もお答えプラスアルファの解説をされるのがともて面白かったです。
ドラえもんの例え話も面白かったですね。
お好きだと仰っていましたが、チラッと楽屋で拝見した江崎先生の風呂敷がドラえもんのタイム風呂敷デザインだったので、お話を聞いて頷いたスタッフです。

※お許しをいただき撮影させていただきました。お名前入りですね。

「もうちょっと喋っていい?」などと聞きながらお話されている姿が、江崎先生のお人柄を表していて素敵でした。

装束の解説の時に見せていただいた腰蓑。
なんと江崎先生の手作りでした!すごいですね!

そんなエピソードも入りつつ…

シテが何を思い、登場するのか、それを表現するための小書き演出。
時間をかけるということの意味。
シテとワキが一緒に謡う意味。

舞台で起こる全てに意味があるということ、それを知って舞台を観るときっと感じ方がかわるのだろうと思います。

ところどころに、先生の楽しい例え話も入るので、感心したかと思えば笑いが起こる、そんな解説。
そして
この融の、そして多くの能のテーマでもある「無常」やはりグッときます。

江崎先生が当日用にご用意くださった「名所教え」の資料。
なんとこちらも時間がたぶんないのでできないですかね、くらいのお話でしたが、急に実演を!
やってみましょうか、やりましょうか
だけの会話で始まったときは鳥肌が立ちました…!

汐汲み桶のお話。何度か聞いていますが
先生の楽しいお話の仕方もそうなんですが、今回は実際に先生の想いとワキの江崎先生の想いが聴けたことでまた新たな発見がありました。

前場の終わり方のお話も大変興味深く、シテとワキの想いを聞くことが出来ました。
今回の試みの醍醐味ですね。

最後の江崎先生の
「知ってこそ、楽しい」とのお言葉とても印象的でした。
江崎先生、本当にありがとうございました!

そして

14時 融後~笛が奏でる遊楽の心~

ゲスト:笛方森田流 斉藤敦先生

斉藤先生とはスタッフも何度もお話をさせていただいておりますし、能meets新橋で初のゲスト講師として出演いただいたこともありとても楽しみにしておりました。
朴訥と語られながらもしっかりと伝える力のある、不思議な魅力あふれる講座でした。斉藤先生もまた林本先生とは全然違う空気感の魅力を纏っていらっしゃいます。

冒頭は前半の振り返りを超高速でという先生の解説から始まりました。

続いて斉藤先生の笛の解説。
初めて参加される方もいらっしゃったので、少しだけしていただきました。

そしてなんと、江崎先生も引き続き残っていただき贅沢にも3名の能楽師の先生の講座開始となりました。
後半のデハとう登場部分の実演。
さらにそこの解説。しっかりと当日も感じたいと思う内容でした。

更にその前の「舞台へ出るまで」の、楽しい例えもありつつでしたが、シテ側と笛側の両方のお話は本当に興味深かったです。

後半のメインは「舞」のお話でした。

舞台上の駆け引き、お話を聞いているだけでワクワクしました。実際に早く見てみたい!と思った方も多かったのではないでしょうか。

舞返しのお話の時は、それぞれの解釈が面白く、それぞれの言葉で聞くことがとても貴重なのだと改めて思いました。

ほぼ同期であるという林本先生と斉藤先生の掛け合いは、普段の仲も垣間見れるようなとても楽しいものでした。

最後は林本先生の「融」をご覧いただくための大事なお話。

お葬式で謡われることが多い「融」
故人を偲ぶ想い、
どなたかを重ねてみていただきたいという、お気持ちでした。

斉藤先生の最後の「笛方から見た能舞台」のお話も大変興味深く、その話し方からも染み入るように響きました。

全員の想いが重なり、ひとつの舞台を創り上げる、
その舞台が、翌週の大の会となるんですね。

お越しの皆さま、前半後半共にお越しいただいた皆様もたくさんいらっしゃいました。大切なお時間を能meetsにつかっていただき、本当にありがとうございます。

珍しく時間通りに終わった講座ですが、
一曲を前半後半に分けていたので実質いつもの倍ですね。

この講座の新鮮な記憶をそのままに…いよいよ
来週です。

2度の延期を経ての開催。

6月12日(日)14時開催 第二回大の会「融」

まだチケットはご用意出来ます。
大槻能楽堂でお待ちしております!!

次回
能meets北浜は

7月28日(木) 19時 江口 ~仮の宿とは~

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