番外編「大の会『融』」スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

スタッフです。

6月12日(日) 第二回大の会「融」

お陰様を持ちまして、無事終演いたしました。

ご来場、そしてご声援本当にありがとうございました。

先のブログにも書きましたが、2年。
準備を含めると2年半以上。
待ちました、待っていました。
物理的にも、精神的にも準備をして、更に先生は稽古や勉強を。

スタッフ陣も何度も「融」曲解説を企画し、実際にも開催させていただきました。
一番近い能meets北浜では江崎先生、斉藤先生のお力添えもいただき、当日の解説や来月のご自身の会で「融」をされる武田宗典先生にはインスタライブに呼んでいただき…
新聞記者さまにも、何度も情宣に応じて頂いたりと、異例の多い開催でした。

でも、2度も延期になっているため
本当に出来るのか、という不安はずっとつき纏っていました。
世の中の状況や、もちろん先生側の体調なども大切な要因です。
先生も、そして先生の周りの方もずいぶんと気を遣われる日々だったと思います。
会を開催する事が当たり前ではないという事を痛いほど知ったこの2年。

今年5月中旬に、用心して少し遅めに設定していたチケット発送を終えた時は、いよいよという気持ちが増してきました。
特に6月に入ってからは、最後の宣伝や当日に向けてのパンフレットやチラシの作業、当日必要な書類等の作成もあり、「融」の事を考えなかった日はないくらいでした。
でも林本先生はそれが2年半ずっとだと思います。
いつもどこかで「融」が生活の中にあった2年半。

当日、朝から気持ちのいい天気!
一番最初は、まず楽屋にスタッフ陣も入らせていただき、準備をしましたがその時先生が使われる部屋に…

大槻能楽堂の水田雄晤先生からでした。

林本先生の先輩能楽師にあたる方で、林本先生は嬉しそうにスタッフ陣にみせて下さいました。そこからスタッフ陣も私たちも更にバックアップせねば!と気持ちが高まりました。

お気持ちが本当に嬉しいですね。

大槻能楽堂の事務所の方々もとても丁寧に接していただき、とてもやりやすい状態で仕事が進められました。

そして…たくさんのお祝いのお花や、お品が先生宛に、とどきました。
驚きながらも、ひとつひとつを見る先生の顔がとても嬉しそうだったのが印象的でした。


高知スタッフからごっくん馬路村という美味しいドリンク!

オリジナルパッケージのドリップコーヒー!も大の会スタッフで楽屋にご用意しました。

そうなんです
お祝いや、ご来場、色々な形でこの日は大槻能楽堂に2年分のお気持ちが届きました。本当にありがとうございました。

続々と先生方が来られる中、スタッフ陣はロビーでの作業。
ロビーのレイアウト、それぞれの仕事の確認、今日の流れ、チケットの最終チェック。
やることはたくさんで、あっという間に受付開始時間となりました。

ロビーではこの2年半先生を支えてこられた奥様がお客様をお出迎えされ、お客様も嬉しそうに入場され、スタッフにまで
「おめでとうございます」や「やっとですね!」など本当に嬉しそうにお声がけいただきました。
長くお話は出来ず、挨拶程度になりましたが、本当に感謝致します。ありがとうございました。

会の様子は事細かく書く事は致しませんが…
素晴らしい会であったと思っております。

お客様は延期の事はご存知…というかずっと待って来られた方もいらっしゃれば、そこまでご存知でない方もいらっしゃると思います。観る側にはそこは関係ないと言えば関係ないのかもしれません。
ですが、先生方は皆さまご存知です。
林本先生の意向で、出来うる限り2年前と同じ出演者で延期を重ねてきた公演です。
やはりそれぞれの「想い」があったと思います。
叶わなかった御出演、ご来場。苦しめられたコロナ禍。
舞台への想い、林本先生への想い。
もちろん林本先生ご本人も。

それがしっかりとあり、それが伝わり、だからこそ素晴らしい会であったと思っています。

そしてそれは終演後の皆さまのお顔をロビーで見ていて思いましたし、実際にSNSで早速感想をあげて下さっている方も多く、ひとつひとつを嬉しく読ませていただきました。

2年半以上待った「融」

しばらく先生が勤められることはないとは思いますが、終わった後に「またやりたいですね、やらないといけない曲だと思います」と仰っていました。

いったいどれほど先になるのかはわかりませんし、どのような状況、形になっているかわかりませんが、いつの日かまた林本先生の「融」が拝見できると思うと楽しみでなりません。

お力添えいただいた先生方
お世話になった大槻能楽堂の皆さま
お祝いを下さった皆さま
そしてご来場いただいた皆さま
本当にありがとうございました。

林本先生、おめでとうございました。

先生から、スタッフ陣にお礼のメールが送られてきて、そこに
「2年半持ち歩いていた『融』の型付けの本を本棚にしまった時に、何か一段落しました」という一文がありました。

スタッフ陣もそこで「終えられた」気持ちになりました。
もちろんまだやらないといけない片付けも、事務作業もありますが。

林本先生、お疲れ様でした。

次の先生のおシテは来月の松華会「弱法師」です!
皆さま、またお待ちしております。