徳島で二つの発表会

レポート

四国に何の所縁もなかった私が、昨年辺りよりご縁を頂戴し、徳島県や高知県で活動をさせていただくようになりました。

先月だけで、催しを3回勤めさせていただきました。

11月15日(日)
徳島県の美馬で月に1度指導しております教室の皆様の発表会が、安楽寺能舞台にて行われました。

お寺の中に立派な舞台があり、能の公演も定期的に行われているそうです。

コロナ感染対策を充分に考えて実行しましたが、当日は思いがけず沢山のお客様にお越しいただきました。

教室の皆様は総じて本番に強い方が多いようで、各々お稽古の成果をしっかりと発揮しておられました。

私はその前日佐賀県で別の催しがあり、当日の早朝大阪から向かいました。
到着した時には既に様々準備ができており、結局ほとんどお手伝いする事なく余裕を持って舞台に挑む事ができました。

ご出演された方のお子さんも椅子を並べたり色々と手伝っていただき、
「将来の教室のメンバーだね」
と皆で微笑ましく見ていました。

私も最後に仕舞「鍾馗」を勤めました。
この曲は病魔退散の内容が含まれていることもあり、地謡を教室の皆様に謡っていただいて舞いました。

その一週間後、今度は徳島市にございます
「徳島城博物館」にて、
能入門講座を受講されておられる方々の発表会が、博物館の一角に特設舞台を組んで開催されました。

前日に申合せ(リハーサルの事です)があり、皆様普段の稽古場と違う舞台に戸惑っておられた様子。
私達プロの世界でも、場所や広さ、床のコンディションなど、いつもと勝手が変わると、ふと戸惑い、いつもと同じ事をしているのに間違えたりしてしまうものです。
それでも皆様はたった一度の申合せに集中をし、本番に備えておられるようでした。

翌日の発表会では楽屋で着物を着付けたりする皆様が、大変仲良くお話をされておられるので、講座を行う意味がここにもあるのだなと感じました。

やはりこちらも沢山のお客様で椅子が足りない程。同時開催をしていました能面展の解説にも多数お越しいただき興味を持ってくださったようです。 

博物館の入門講座はいわゆる座学ですが、希望の方に稽古を致しておりました。ところが蓋を開けてみると、ほとんど全員が稽古希望との事。
講座の前後に皆様に稽古をしても時間が足りず、稽古が行き届かない事もあり難儀しましたが、美馬の皆様と同じ位本番に強い皆様で、当日は本当に熱気のあるいい舞台になったと思います。

今回の反省点としては、「稽古時間がなかった」事。
皆様にも不安な思いをさせてしまったかもしれません。
来年もこの舞台は続けますので、是非改善したいと思います。