令和2年、ありがとうございました。
お知らせ令和2年もゴールが近付いてまいりました。
皆様年の瀬お忙しくされておられる事と思います。
この一年を振り返ってみますと、思いが叶った事、そして思いもよらなかった事もございました。
本年の始まりは、私は東京におりました。
大晦日の晩に飛行機で移動、「赤坂日吉神社」にて山階家が毎年行っております奉納に参加するためです。
零時を迎えたすぐ後に神事があり、そして伝統の「一人翁」が山階師によって演じられ、とても清々しく厳かな新年を迎えることができました。
1月18日には私の住まいである吹田市の医師会の周年記念の大きな祝宴にて「石橋」を勤めました。
2月には能meetsによる講座を初の四国上陸を果たし、
3月には能楽師若手の集まりである「NOH組曲」を企画し、大阪はもとより山口・福岡・佐賀と遠征し能の普及活動を行いました。
しかしこの頃より、コロナの猛威が我々を脅かしてきました。
各公演は延期や中止。
私達が指導しております各地の教室も延期。
恒例の佐賀県呼子にての「能子供教室発表会」も中止の決断をせねばなりませんでした。
手帳の予定表には取り消しの二重線が目立ち、遂に4月は舞台が1回だけとなりました。
自宅で何をしてよいか分からず、能の小道具作りや資料の整理を始めており、また以前から観たいと思っていた「三國志」のドラマも観る時間ができました。
その時、能meetsのスタッフの一人から、「コロナの時期ですが、ブログだけでも活動しませんか?」という提案をいただき、事前に取材しておいたものを前倒しして定期的に「能meetsブログ」を更新。能楽の小道具などのエッセンスを紹介しました所、本当に沢山の皆様から反応を頂戴しました。
しかしながらコロナの恐怖は収まらず、6月14日に予定していました自身主催の会「大の会」も残念ですが延期を決めました。チケットを既にお求めくださいました皆様にご連絡しました所、ほとんどの方が一年後の開催までお待ちいただけるとの事、本当に嬉しくありがたい思いを致しました。
7月半ば頃から少しずつ舞台が戻って参り、
能meetsも7月14日の能meets北浜から再開しました。定員を減らしたとはいえ、コロナ禍の中予想外の沢山の皆様にご来場いただきました。
能meetsは大阪、東京、栃木、福岡、長崎、高知、愛媛、広島で開催を予定しておりましたが、やむなく東京、栃木、福岡、長崎、そして大阪の各地での開催は中止をしました。
それでも何とか活動を続ける事ができたのは、各地に駆け付けてくださったお客様、そして安全を優先しながらあらゆる箇所に気を配り活動していただきましたスタッフの皆様のおかげです。
令和2年能meetsは、クロージングやコラボの会も含めると、
総計28回、総動員665名様。
本当にありがとうございました。
その他、他の芸能のメンバーと共に一つの舞台を作る「霜乃会」本公演も9月に行なったり、教室の皆様の発表会も徳島と大阪でのみですが開催できました。
また杉江能楽堂での活動も今年の大きな目玉となりました。
運営について事務局から相談を受けた事がきっかけで、様々な企画を立ち上げ、能meetsとうまくコラボレーションしながら進めて参りました。
12月13日には念願でした「能公演」が実現。私がその初回に「安達原 白頭急進之出」の主役をさせていただきました。能の公演では珍しく、「即日完売」という快挙も成し遂げました。
最後に、実は今回のコロナの時期に、意外な事が。
それは、教室に通う生徒さんが増えたという事です。ほとんどの皆様がこのホームページをご覧になられたそうです。
東京の御嶽山駅徒歩6分の「山階能舞台」にて稽古場を新設できたのも本年でした。新しい生徒さんも色んな方がいらっしゃり、お稽古は勿論、皆様とお話させていただき私自身楽しく過ごしております。(令和3年は徳島にて稽古場開設予定です。)
長々と一年を振り返りました。本年通じて感じた事は、
「ホームページやSNS等、普段馴れなかったものを上手に使い広報するその効果」
に驚いた点、そしてやはり
「その機能を使ったとしても、やはり実際に人と人とが触れ合う事が大切である」点。
食事の店に行っても、稽古場に行っても、人と人の間に仕切りができてしまう、そんな世界になりました。だからこそ、直に話す、直に触れる、直に感じる、そんな当たり前の事を考えるようになりました。
今年も沢山の皆様と新しい出会いがありました。
今年を糧にして、これからを生きていく。
今年よりは確実に一歩だけでも何とかして前に進む。
そのような覚悟で令和3年を歩んでまいります。
皆様一年お世話になりました。
そしてこれからも引き続きよろしくお願い申し上げます。