第一回きしわだ杉江能 終わりました

レポート

12月13日大阪岸和田市の杉江能楽堂にて
「第一回きしわだ杉江能」
が開催され、その記念すべき初回に
私が能「安達原 白頭 急進之出」を勤めさせていただきました。

本来5月に行われる予定でしたが、今回のコロナウイルス感染により延期を余儀なくされました。
第三波が押し寄せる中ではございましたが、今回の公演はほとんどキャンセルが出る事もなく、皆様お越しいただきました。
場内は運営側の徹底した感染予防策の中、お客様をお迎え致しました、お越しいただいた皆様、ご協力本当にありがとうございました。

あるご縁により私が、
太鼓の中田弘美先生主導の下、
杉江能楽堂の企画・運営に携わり1年が経過しました。

杉江能楽堂を活かすプロジェクト実行委員会を結成し、メンバーと共に杉江能楽堂の特徴や利点を捉え、様々な企画を提案、実現して参りました。

それまで無名だった杉江能楽堂が、この一年でここまで皆様に注目されるようになり(勿論まだまだですが…)、新聞やラジオにも取り上げていただき、そして念願だった「能楽堂で能公演」が実現しました。

これは私の提案を快く聞いてくださった中田先生、
そしてご理解ご協力いただいた所有者の谷口さん堀野さん、
主軸となって東奔西走された事務局長の伊地知さん、
実行委員会の皆さん、
何よりも我々の活動を支えてくださったお客様あっての事、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

「即日完売」という、
能楽界では中々出来ない事も達成致しました。
今回の公演では発売日の内にチケットが全て売れた事もあり、実行委員会で相談をし、
思い切って「追加公演」にも挑戦します。

令和3年2月11日(祝木)14時〜
能「安達原」シテ 林本大 他

チケットは12月14日より販売開始しておりますが、
こちらももう既に多数お申込み頂戴しております。

また私自身能楽堂での本格的な公演でのシテは1年半振りでした。
「安達原」は私の好きな曲で、能meetsでも数回取り上げ講座を行いました。
その講座に参加していただきました方も沢山観に来られ、
「謡と型がすんなり入っていった」
と感想をいただきました。

慣れない舞台で能面を掛けての演技でしたので失態もありました。
後半鬼女の姿で山伏に追い詰められタラタラと下がる所で作り物(寝室を表す舞台装置)に接触してしまいました。
後ろに倒れるかと思いましたが、運動神経が良かったのか、そのまま演技を続けた所、
「素晴らしい演出でした」
と感想をいただきましたので、正直に申し上げます。

あれは演出ではなく、事故でした…。
このような事のないよう反省をして今後はしっかり勤めたいと思います。

これからも杉江能楽堂では色んな企画を行って参ります。
皆様是非この素敵な能楽堂にお越しください。