はじめての保育園授業

レポート

このたび御縁をいただき、佐賀県唐津市呼子町の「呼子保育園」のお子さんへ、8月に能のお話しをさせていただきました。

私は大学・小中高校は授業の経験はありましたが、幼稚園・保育園へ授業に伺った事はなく、どのようなお話しをすればよいか随分悩みました。

今回は、能を学ぶというよりは、能で遊んでもらおうと、当日はあまり難しいお話はせず、すり足で競走したり、大きい声で謡ったり、お子さんが楽しくなるよう考えてお話しをしました。

すると、園長さんから、「12月の発表会で是非能を子供たちにさせてあげたい」と仰っていただきました。これは私には大変うれしい事でした。

どうしても学校教育に古典が入っていく隙間がなく、国語教育も切り落とされようとしている昨今に、子供の内から能に親しむという、このような機会を与えていただきました事、保育園の指導者側の皆様が「能」に深いご理解を示していただきました事、本当にありがたいと思います。

早速、先日初めてのお稽古におじゃましました。部屋に入ってきたお子さんは、私が何も言わなくても姿勢を正し、中には正座をしている子も。

私は当初保育園で授業を担当することになった時「どうせ難しい話しても分からないだろうな」と考えていましたが、どうやら違ってました。難しい話は確かに分からなかったとしても、このお子さんは皆、私の指導を「肌で感じている」、そんな気が致しました。

短い期間ですが、精一杯勤めさせていただきたいと思います。

(写真は呼子保育園様のご許可をいただき掲載しております)

2019年9月呼子保育園01