こども教室始まりました
レポート本年7月より、兵庫県三田市にて「能楽と郷土を知る会」主催によります「こうべさんだ能・狂言子ども教室」が始まり、10名程の子供さんに能の指導をさせていただく事となりました。
全6回の稽古と発表会があり、普段はフラワータウン市民センターの和室でお稽古をするのですが、発表会はそのすぐそばにあります「有馬能楽堂」(三田屋本店―やすらぎの郷―内)にて行われます。
私は毎年佐賀県呼子の子供たちに指導を行っています。子供たちに何を伝えられるか……私は特に「将来能楽師を目指す子を育てる」事が目的ではありません(勿論そうなってくれると嬉しいですが)。
靴を揃えてから和室に上がる、敷居や畳のへりを踏まない、足袋を履く時は人に足を向けない……など、そのような事も指導しています。
昔の日本人が守ってきたことをそのまま今の子供たちに伝える。それを良いと思うか、そんな習慣意味がないと思うか、それは、その子供たちが分別付くようになってから判断しても決して遅くないように思います。
舞台の事はさることながら、先人の思いをそのまま伝えるだけで、子ども教室は十分意味のある事のように最近は感じています。
舞台は決して一人では上がれない。毎日送り迎えをして、自宅でも稽古の話しながら温かく見守る保護者の皆様。そして「能楽と郷土を知る会」のスタッフの方が稽古の場を提供してくれる。
着物も誰かに着付けしてもらう。そのようにしてようやく自分が舞台に立たせてもらえる……この気持ちで発表会に臨んでほしいと考えています。