能meets京丹後スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

スタッフです。

8月28日(日) 能meets京丹後 

アグリセンター大宮

にて開催いたしました!

林本先生に至っては、前日は福知山で光秀の二回公演、更にその前には京都観世会館にてpetit能にも出演されていたので、京都で三日連続公演です。

いや、でも一口に京都といっても、その移動距離は片道で100キロ以上です。

広いですね…京都。

そしてその京都中心部から北端まで移動して活動する林本先生…。

春に募集をして、初夏からお稽古をしていた小学生8名の能meets天女の発表もあわせておこなう今回。

二部構成での能meetsでも初の試みの催しでした。

前日から京丹後入りしていた林本先生は朝から子供たちの最終のお稽古。

ひとり残念ながら体調不良(耳の調子がわるくなったようです)で欠席となってしまいました。

なので練習してきた位置とちょっと変わるという対応も。

その後は、着付け。

そうです子供たちも浴衣と袴姿に。

着付けは地元の方や、一緒に早くホール入りした笛方斉藤敦先生もお手伝いくださいました。

子供たちは浴衣は経験があっても、袴姿になる事は経験がなく、皆嬉しそうにしていて、既に着崩れが…

子供のパワーは凄いですね!

まだまだ緊張はしていないようです。

ホールでは地元で能のお稽古をされている丹能会の皆さまが、設営をお手伝いくださいました。

チケットもたくさん宣伝販売してくださり、お能を広めたい、知って欲しいという熱意にこちらも動かされます。

先日の「光秀」の時も感じましたが、こちらが行ってただ公演をするというスタイルではなく、地元の方の協力や関心があってこその催しが出来ることがとても大切だと思います。

これっきりの公演ではなく、これからの地域とお能の、お能だけでなく伝統芸能や文化との関りが期待できる催しをやっていきたいというのは普段からの林本先生の想いです。

立派な看板もご用意いただきました。

イイ目印ですね!

お花も届き、暖簾は受付に。

盛り上げていただいております。

会場準備を進める中、シテ方の今村哲朗先生と、上野雄介先生も早々に到着され、申合せが始まります。

しっかりとご挨拶。

子ども教室でも申合せは一度切り。

その緊張感そのものを教えたいという林本先生のやり方です。

能meets殺陣の時もそうです。

申合せ終わりで、先ほどのチェックを

これも細かくやり直しはせずに、今までやって来たお稽古を踏まえた自主性を促すアドバイスのみ。

最後もしっかりとご挨拶で終わり、本番に備えます。

丹能会の計らいで、記念撮影にカメラマンの方を呼んでいただいておりました。

皆嬉しそうです。

そしていよいよ…

丹能会の広報やお力添えもあり、100名を超えるお客様にご来場いただきました。

今回はアーツサポート関西さまの助成もいただいていたので、学生以下の入場料は500円、盛りだくさんの内容ながら極力チケット料金を押さえた設定に。

最初は林本先生の能講座なのですが…

まずは先生の仕舞をいきなり披露します。

この様子は、丹能会の近藤様のアテンドで客席にいた能meets天女出演の子供たちも観てもらいました。

林本先生に教わってはおりますが、先生の仕舞を観るのは初めて、いつもは先生が謡って見本を見せてますが…

プロの能楽師の謡で、舞う林本先生。

会場がピリッと集中した感じも受けましたが、なにより参加の子供たちが一気に緊張したと、アテンド下さった近藤さんが教えて下さいました。

楽屋に帰ると

「あんな凄いあとでようやらんー!」と

これも林本先生の狙い。

舞台に立つ楽しさだけでなく、責任や重み、はたまた一人一人違うであろう意味を、言葉で教えるのではなく、自ら体験して感じてもらう。

素晴らしい機会だと思います。

その後は、いつもの能の基礎的な講座。

皆さま笑ったり感心したりと、会場の空気も緊張と緩和と、とても楽しんでくださっている様子でした。

今回は、この後の能meets天女のお話も。

どういったお稽古をしてきたか、そして先生の想いも。

そして、装束の着付けの実演。

いつもはお一人で話をしながらですが、この日は哲朗先生と雄介先生が着付けをし、先生は解説に徹します。

その後はいよいよ、吉野天人の一部を皆さんで。

丹能会のご協力もあり、装束や面もご覧頂きながらの発表会。

今まででのお稽古の中で一番良い舞台になったと感じました。
林本先生も仰っていました。
客席の雰囲気もとてもよく、皆さんが楽しんでくださっていました。子供たちも真剣な表情で…
見ているコチラが華やかな気持ちになりますね。

その後は一旦休憩を挟んで、二部。

こちらはいよいよプロの能楽師による舞台が続きます。

まずは斉藤先生のお囃子解説

これも斉藤先生の想いがこもった、淡々と話すあのスタイルでありながら、時に笑いが起こり、時に感嘆の声が漏れる内容でした。皆さまが熱心に聴いているのが伝わってきます。

能の魅力はもちろんのこと、その能を実践して広めて行こうとする能楽師の先生の魅力も感じて頂けたと思います。

そして、仕舞

こちらの前に予定にはありませんでしたが、林本先生が急遽出てこられ、これからの仕舞の説明を簡単に。

皆さんに少しでも「知って」見ていただく準備です。

哲朗先生の「敦盛」

林本先生の「羽衣」

雄介先生の「殺生石」

強いものから、優雅なもの、細かな仕草、豪快な動き。

お能の魅力に溢れた3曲だったと思います。

こういった選曲も林本先生がいつも何度も何度も考えて決めてらっしゃいます。

始まり方や途中、その日の空気をみて予定にない事をされるのも能meetsスタッフ陣は、全て講座においては林本先生に全幅の信頼を預けております。

今回もイレギュラーはありましたが、どの判断も素晴らしく、会を盛り上げる内容だったと手前味噌ながら誇りに思います。

丹能会の皆さまも林本先生のことが本当に大好きで、皆さまがそのお気持ちでお力添えを下さっていると感じました。

これは美馬教室でも思いますし、

更には昨日の「光秀」でも上田先生や伝楽舎の方々と地元の方の関係もみても思ったところです。

そして…

哲朗先生と雄介先生も、合間には装束の片づけや
斉藤先生も楽屋で子供たちの着物の片づけと
皆さまのサポートも大変ありがたかったです。

子供たちが舞台へ行くために脱いだ靴…

「靴を揃える」こういったこともお稽古の時に林本先生が教えておられ、元々めちゃくちゃに脱ぎ散らかす…というお子さんはいらっしゃいませんでしたが、皆脱いだ後にきちんと目視して確認し揃える、という事を実践しておりました。

能meetsスタッフ側としては行き届かなかったところ、考えが至らなかった点など大いに反省もある催しでしたが、皆さまのお力添えで乗り切る事が出来ました。

丹能会の皆さま、斉藤先生、哲朗先生、雄介先生
本当にありがとうございました!
お越しに下さった皆さま、また是非ともお伺いできるよう頑張ります。
発表会の子供たちも今日までよく頑張って無事に終えられておめでとうございます。
これからもお能に親しんでいただけると何より嬉しいです。

 

おまけ…
楽屋で元気な子供たちがホワイトボードに先生方の似顔絵を…
林本先生も書かれてましたが…
「昭和のタッチ」と絶賛(?)されていました。