スペクタクル新作能「光秀」スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

スタッフです。

8月27日(土)
第4回新丹波猿楽座特別公演
スペクタクル新作能「光秀」×甲冑隊in福知山

が、開催され林本先生が3月の福知山城公演に続きおシテを勤められました。

会場は福知山市厚生会館大ホール


立派な立て看板が目印です!

前日から舞台のセッティングを上田敦史先生が代表をされている、伝楽舎さまはじめ、舞台スタッフの皆様でしていただいておりました。

当日の朝
制作陣は当日パンフレットの準備など、伝楽舎スタッフの方の指示のもと進めていきます。


会場では、甲冑隊の皆様と先生方のお稽古が
その間をつなぐ役目もある上田敦史先生は、客席から舞台から袖から色々な方向から全体を見て、都度指示を出されていました。

今回はホール能でもあるので、能舞台ではあまり変化することのない照明もあり、その指示も上田先生が。

甲冑隊の皆さまには、タイミングやキッカケだけではなく、その時の心持ちやどういった気持ちを持つことで動きに反映されるか、などの指示も今回また丁寧にされていました。

その中で伝楽舎スタッフと会場スタッフ、上田先生で、一番前の席の位置について話し合われ…
お客様に安全に見ていただける一番の策をとり、急遽最前列をずらすことに、ただ席を取るのではなく甲冑隊の皆さまの視点から、席は残してそこを座れない仕様にする、という判断に。

これもしっかり場当たりをしていないと、わからないことでした。

甲冑隊の場当たりが終われば、すぐさま今度は能楽師の先生方のお稽古に。

監修を勤められた山階先生も、到着されてすぐに客席から様子を観ておられ、指示をされていました。

スタッフ陣もロビー受付の準備と、それぞれの担当に分かれて仕事の確認。
場内の誘導、物販、検温消毒のお願い。
お客様の導線を考えつつ各所の配置を伝楽舎スタッフが指示してくださいます。

そしてお預かりチケット、当日券、前売りの対応の他に今回はオンラインチケットを導入されており、それはなんと上田先生の息子さん担当。
これが実に頼もしい存在でした。

さらに、甲冑隊が登場する場面では、ドアの開閉も伝楽舎スタッフとして息子さんもお手伝い。
「この謡で、お囃子が…」といういつドアを開けるかの説明をきいても
「あぁ、あの盛り上がりの…」とすぐさま返されているのはさすがでした。

お手伝いの皆さまや楽屋にお弁当やお茶を運んで、皆さんに休憩の指示をされながらも伝楽舎スタッフのチーフの方は休む間もなく走り回っておられました。

さらに上田先生も最後まで…

上田先生はじめ、伝楽舎スタッフは、前日や当日だけでなく、この日までに
会場や、技術スタッフとの打ち合わせや
公演における関係者の皆様への連絡
更にはメディアやSNSなどでの広報も。

ひとつの催しを立ち上げ、開催する大変さは能meetsスタッフ陣も理解しているつもりですので、本当に頭がさがります。

そんな準備もあり…

ご予約はもちろん、当日券のお客様も予想以上にお越しくださり、ソーシャルディスタンスをとっているとはいえ、席はどんどん埋まっていきます。
ファミリー席という試みもおもしろく、ご家族や小さなお子様も来られているのがこういった地元密着の企画公演ならではだと感じました。

お能「光秀」のみではなく上演の前に
スペシャル対談として、
明智憲三郎さま(明智光秀の子孫・作家・歴史家・新作能「光秀」原案)
十二世 山階 彌右衛門さま(観世流シテ方 新作能「光秀」監修)
お二方のお話を、上田先生の司会で行われましたが、偶然と必然のご縁を感じるとても、興味深い内容でした。

さらには明智の子孫で、明智憲三郎さまとご一緒に活動されている明智ガラシャさまのオリジナルソング「光さすとき」の歌唱もあり、盛りだくさんの内容。

そしていよいよ、能「光秀」

直前まで、先生方で話をされていた今回。
全てを客席では拝見できておりませんが、ホールということもあり舞台へ集中が高まっていたと客席後半で感じました。

甲冑隊の皆さまも、前回の野外のように砂利に足元をとらわれることなく、動けていらっしゃる印象です。

何度見ても、やはりお能の良さをしっかりと抑えた上での新しい試みと「光秀」というあまりに有名な題材のまた違う側面からの内容。
スペシャル対談の直後というのも相まって、グッとくる後半でした。

前回の公演より更にブラッシュアップされていることが感じられました。

そして、あとは片付け、ではなく

ここまで書いた公演準備から本番をもう一度繰り返します…!!
そうです、今回は2回公演!
お能では珍しい1日2ステージです!

1回目 開演13:00
2回目 開演17:00

15時過ぎに一回目が終わりましたので、つぎのステージまで2時間ある…わけではなく、受付会場は1時間前なので、次までは1時間もありません!

またもや伝楽舎スタッフの指示のもと次の準備にとりかかります!

先生方もそこまでの休憩はなかったと思います。
バタバタで楽屋の様子は全くみておりませんが、装束をとって、またメンテナンスしてから、着付け、しかも林本先生に聞いたところ、ステージの合間に、演者間での先程の舞台を踏まえた次に向けてのお話などもあったようです。
休む間なく、です。

もちろん製作側も先ほどを踏まえて、配置を変えたりと、2回公演だから全く同じことをするのではありません。
2回公演だからこそできることを活かしての、次です。

「大の会」開催時にも思いましたが、やはり主催だけではなく、そこに向かう周りの気持ちもあり、その全てが揃い、はじめて良い催しとなるのだと、改めて思いました。
もちろん「そうしたい」と思わせてくださる上田先生の元にスタッフの皆さまがいて成り立つんですね。

お客さまからのアンケートも高い回収率で、さらには物販の「光秀謡本」もたくさんの方にお買い求めいただきました!
これも反響ですね。

2ステージ後にはすぐさまバラシ。
舞台スタッフと、

制作スタッフも

もちろん、楽屋では先生方がそれぞれの片付けを。早く終わった先生は、ほかのお手伝いにも。

19時に終演して、
19時半過ぎにはもう林本先生は楽屋を出て…
なんと明日の催しのために、斉藤先生と共に京丹後に移動されました…。

今回また、新しい可能性を感じさせていただいた「光秀」
次の上演を楽しみにしたいと思います!

会場、舞台スタッフの皆さま
ご出演の先生方
そして上田先生、伝楽舎の皆様本当にお疲れ様でした!