能「山姥」シテつとめます

お知らせ

私は能楽師の「シテ方」です。…能の出演者はその役割によりパートに分かれておりますが、「シテ方」は主役や準主役、後見や地謡(いわゆるナレーション)等、総合的な役割を担うのです。
そのシテ方が能の「シテ」つまり主役を勤めるのは大変重要な事で、年代により異なりますが、一年の内数回しかありません。
昨年は私はシテ役が非常に多かったのですが、本年は数回のみ。その皮切りが今度の2月4日に行われる「松華会定期能」です。

能「山姥」という、むつかしいセリフもあり、また後半は激しい所作もあり、主役だけでなく他の役にとりましても体力も使う大変な演目です。どうしても「山の中に住む人食い鬼婆」のイメージがあるかもしれませんが、能の「山姥」は違います。もっとスケールの大きな山姥が登場します。山姥とは一体何者なのか?・・・もとは人間だった?鬼?山の神?妖怪?自然そのもの・・・能はそれに関しては明確な答えは出していません。お客様がそれを想像できる余白を残しているからこそ、能は大変面白いと思うのです。またこの演目はいわゆる「仏教観」がセリフに織り込まれ、十分に深い曲です。

ご案内が遅くなりましたが、お時間ございます方は是非お越しください。開演前の12:30には演目に関する解説もございます。

「松華会定期能」
令和5年2月4日(土)13:00開演(12:30より解説)
 能 「百 万」宮下昌子 他
 狂言「雁 礫」善竹隆平 他
 仕舞数曲
 能 「山 姥」林本 大 他       終演予定16:30頃
 
前売券:5,000円 当日券:5,500円 学生券:2,000円 
会場:大槻能楽堂(大阪市中央区上町A-7)地下鉄谷町四丁目駅10番出口下車徒歩6分程

チケットお求めの方は hayashimoto@dainokai.com 又は 林本大(大の会)ホームページよりお申し込みください。簡単な解説もお渡しさせていただきます。