番外編「団体依頼のお仕事」スタッフレポート
能meetsスタッフブログスタッフです。
これまでも何度がレポートしました、
団体依頼のお仕事。
実はこれまで三年間にわたって依頼を受けて催しをしながらレポートにあげてなかったのが
茨木市シルバー人材センターさまから依頼を賜った、能鑑賞会です。
一昨年は土蜘蛛
去年は高砂
そして今年は三年目最後の節目という事で石橋をセンター長さまからご相談を受けて、なんとか実現の運びとなりました。
茨木シルバー人材センター様は、その名の通り
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高齢法)に基づき、国や市からの指導・支援を受けて運営をされる営利を目的としない、公益性・公共性の高い事業を行う公益法人です。
その人材募集の説明会を年に一回開催され、それと同時に集まった方への催しとして能楽鑑賞会を開催してこられました。
その時に依頼を受けたのが林本先生です。
ただ能楽鑑賞会として何か曲を披露するのではなく、
能楽というものの解説や、
お囃子の解説、
更には能面体験や、
土蜘蛛の時は糸を投げる体験など、
集まった方に「能をみていただけますよ」というだけでない、こういった機会にこそ「興味を持っていただく」という場を設けるべく毎年林本先生も色々と企画されてきました。
今年は節目で石橋。
なんと、白獅子に林本先生の師匠である山階先生にきていただき、林本先生が赤獅子を勤めるという大変贅沢な石橋をご覧いただく事となりました。
スタッフとしては、広くたくさんの方に観ていただいても申し分ない催しだとは思いましたが、主催者様の意図としてシルバーセンターに登録されている、登録されようと考えて下さっている方へ向けての催しでしたので、広い告知とはなりませんでした。
なんどか打ち合わせを重ね、当日
会場のエレベーターが故障ということで…大荷物を5階(駐車場からだと6階)手運びとなりました。
シルバー人材センターの方々にもお手伝いいただけましたが、一番大切な装束や面は先生自ら運びますと、かなり重たいトランクを先生自ら運んでくださいました。
他、出勤の先生方もご連絡いただけたらお迎えに、と思っていましたが、皆さまご自身の手でトランクやお道具を運んで下さいました。
会場スタッフの皆さまも、こちらが持参した簡易欄干の設営に色々とお力添えいただきました。ありがとうございます。
更に、催し自体がシルバー人材センターの説明会でしたので、集まってくださる方も年齢層は高かったのですが、皆さま5階までお越し頂き、それだけでもう感謝の気持ちでいっぱいでした。
説明会あとの能楽鑑賞会にも全ての皆さまが残っていただきました。
まずは小西弘通先生の謡と上田航平さんの小鼓という、本当のお孫さんと祖父という独鼓で、皆さまの興味をぐっと惹いた所から
林本先生の解説。
後ろから拝見していても、皆さんが頷いたり笑ったり、そういった反応がたくさんありました。
続いてお囃子の解説と体験。
こちらも上田敦史先生の楽しい解説と、森山泰幸先生の中々経験できない大鼓体験に皆さま大変楽しそうに観たり、参加してくださっていました。
いよいよ半能「石橋」
石橋
能面体験と続きましたが
最後まで集中が途切れることなく皆さんが参加してくださったり、反応くださっていました。
それが手に取るようにわかったというこちらの主観ではなく、催しが終わって皆さまが帰る時に、お見送りをしているスタッフに
「本当に素晴らしくて拍手をしたかったけど、どこでしたらいいかわからないくらいの空気で」
と興奮気味に話してくださったり、シルバー人材センターのスタッフの方に
「こんな素晴らしい催しはもっとたくさんの方にみてもらいたいです!」と力説してくださっていたり
こちらの予想以上に喜んでいただけていたと実際に感じられました。
レポートはあげておりませんでしたが、過去二回もそういったお声があったからこその第三回目だったのだと改めて感じることが出来ました。
今年で一旦節目、とお聞きしていましたが
主催者様が「また来年もよろしくお願いします。」と思わずなのか、今のお気持ちなのか仰ってくださいました。
もちろん状況は変わりますし、来年は開催は無理かもしれません。
でも、催し直後には「また」という想いでいてくださったこと、それがとても嬉しく大切なお気持ちだと思います。
実際、理事長からセンター長、そしてスタッフの皆さま、お忙しい中、客席や舞台袖から熱心に舞台を拝見してくださっておりました。
これもまた嬉しく素晴らしい事です。
叶わなかったとしても「望んでくださった」
そういう催しが出来たという事が、スタッフとしても誇りに思います。
シルバー人材センターの皆さま
そしてお力添えをいただいた先生方、本当にありがとうございました。