若手能、ありがとうございました!

レポート

先日1月21日、大槻能楽堂にて若手能大阪公演、つつがなく会を終えることができました。

随分寒い一日でしたが、御越しくださいました皆様、ありがとうございました。

40歳までを「若手」とし、そのメンバーで構成され(もちろん、先輩方にも助演をお願いしております)、運営も全て若手が担当させていただいております。

思えば1年前から動きは始まりました。若手能委員会が結成され、私もその一員として活動いたしました。委員長・善竹隆平氏を中心とし、チラシの作成・広報・出演者依頼や様々な連絡、そして今回は私たちだけで稽古会も実施、なるべくお客様の視点に立って会当日の運営も行いました。もちろん多々至らない点もございましたが、本当に良い経験をさせていただきました。

せっかく若手に任せていただいてますので、若手ならではのことをしたいと皆が考えました。これまで歴代続きましたこの若手能は、その代その代の若手達が色んな趣向を凝らしながら勤めてまいりました。

今回は、様々な若手能ならではの活動の中で、特に皆様のお手元にお届けする「番組」に注目しました。

能のプログラムの事を「番組」といいます。能の一曲二曲は、「一番二番」と呼ばれ、その一番一番の組み合わせですので「番組」と呼ばれます。

能の番組は、昔よりも形式にこだわらず随分見やすいものになりました。それでも更に皆様に親しみやすいものにするために、私たちが考えたことは「能を知らない方に能の番組を作っていただく」事でした。

主に家族の写真を撮られて精力的に活動されてるカメラマンの福井小百合さん、そしてまた大阪で独立し活躍されてるデザイナー大矢礼子さんにご相談し、今回のパンフレットができあがりました。(皆様見ていただけましたでしょうか?)

お二人とも本当に手探りながら協力して下さり、実際に能の会の催しの楽屋も見学されました。お二人にとっては大変な作業だったと思います。

このように、私たち能楽師だけでなく、その周りの方々のお力をお借りして会はようやく成り立ちます。それは私が《道成寺》を勤めた時にも感じたことでした。

「たくさんの人がいて、今の能楽師としての私がいる」若手能で勉強した、とても大切なことです。

写真は、会を終えた後、右から若手能委員長の善竹隆平氏、福井小百合氏(実は高校の同級生!)、大矢礼子氏、そして《鵜飼》主役を勤めた直後の私です。偶然にもこの4人、同世代です。

本当に皆様、ありがとうございました。