初番目物 高砂たかさご 四海波静かにて 国も治まる時なれや あひに相生の 松こそめでたかりけれ 九州阿蘇宮の神官・友成が播磨国・高砂の浦にたどり着くと、浦には松が美しく生え、遠く鐘の音も聞こえていた。そこに老夫婦が現れ、木陰を掃き清める。老人は『古今和歌集』仮名序を引用して、高砂と住吉の松とは相