斬られたい方、募集

「能を、御客様が参加する形で、もっと楽しみ能の事を深く知っていただける企画はないだろうか」
と考えていた時にふと思いついた、「殺陣」。

能では「殺陣」とは言いません。「チャンバラ」とも言いません。「斬り組」と言います。

演目の中でこの「斬り組」が行われるものが数曲あります。

「正尊」では、義経軍☓土佐坊正尊軍。
「夜討曽我」ならば曽我兄弟☓頼朝一行。
「烏帽子折」は牛若丸☓盗賊団。

その動きは、模造刀（時には長刀や弓矢、鎖鎌なども）を持ち相手とやり合うのですが、やはり形式的な動きです。
刀同士を合わせる事もしませんし、歯ぎしりしている表情を作ることもしません。
具体的な動きの一歩手前で止めています。
ですから斬られても「うわ〜やられた！」と周りをのたうち回る事も勿論なし。

全てはその表現を、体の中に押し込める。外に出さずに中に閉じ込める。

そうすることで一体どうなるのか。

現代の演劇やテレビの時代劇に慣れている皆様には物足りないかもしれません。

昨年「能meets殺陣」を企画し、「斬られる参加者」を一般から募集。
その皆様と合計4回の稽古を経て本番。

御客様が見守られる中、「斬る能楽師　☓　斬られる参加者」の戦いをご覧いただきました。

先程申し上げた事、「具体的に外に表現せずに、体の中に押し込めるとどうなるのか」

それは、参加していただいた皆様感じたはずです。

能meets殺陣　ブログ記事

目に見えない何か。舞台の力。それを伝える事が、能の本質を知っていただく良い機会になると信じております。

能楽師と共演できる、体を動かして発散できる、能楽堂の舞台に立てる、目に見えない何かを感じる事ができる…

是非皆様ご参加ください。

能meetsブログ　殺陣募集詳細