能のグッズ？！

2020年7月30日お知らせ

我々能楽の世界では、能楽堂としてカレンダーや小物、ハガキなどグッズ販売を行っている事はございますが、個人で販売をしていることはほとんどありません。

「グッズ」という表現がふさわしくはないかと思いますが、我々の世界では、例えば能楽師として独立する時や、道成寺等大曲を勤める時の機会に個人で作成するものがあります。

それは「扇」です。

写真左は私の独立記念扇です。平成21年1月に「林本大独立披露能」を開催し、「石橋」を勤めました。その際に出演していただきました先生方、お世話になりました先生方や関係者の皆様にお配りします。

皆様にお世話になったおかげで現在の能楽師としての私があり、「石橋」という大曲を勤めさせていただくお礼の気持ちが込められています。
「石橋」は白獅子と赤獅子が登場する事から、このようなデザインを考えました。

写真右は平成28年10月能楽師の卒業論文と言われる「道成寺」を演じた時の会に合わせて作成。セリフに「花のほかには松ばかり」という下りがあり、この花は桜の事ですので、松の緑と桜の薄桜のデザインで、しかも以前の独立披露の扇と同じシリーズで作ってみました。

「させていただく」

そのような気持ちがこの扇の風習には含まれていると思います。大曲に挑むことで、自身を追い込んでいき、いろいろなことを考え、振り返ります。その中で「沢山の方に支えていただいている」ことを改めて実感できるのです。（この気持ちはもちろん能楽の世界だけではないはずです）

私も諸先輩、後輩からいただいた扇を保管しています。「この扇は○○さんの道成寺の記念扇だな」と、それを使う度に当時の事を思い出します。

逆に、私の扇をどなたかが使う時には「あ～これは確か林本君が独立した時の扇だったな」と、私のことを思い出してくれるかもしれません。

芸は形では残りませんが、この扇のようにずっと残ってくれていると、心が豊かになる気がします。昔の写真を眺めるように、扇を見ていると、「扇以上のもの」まで見えてきます。

さて、めちゃくちゃ前置きが長くなりましたが、この度、能meetsでグッズを作成致しました！

こちらは「能meets」のロゴは敢えて入れませんでしたが、私の名前が何と「松竹梅」のデザインになっています。色合いも素敵で、男性女性ともにお使いいただきやすいように作成しました。

能meetsの講座ではチラシやレジュメをお配りする事も多く、保管していただけるように、能meetsのロゴ入りで作成。前述の「松竹梅デザインの林本大」が、能装束でもよく使用される「四海波」に仕上がっています。青々と爽やかな波をモチーフに、作られました。

いずれもデザイナー、笹田憲孝さんに工夫を凝らしていただき、最高の商品になりました。

あまり能楽師個人でグッズを販売するという前例はないのですが、お話した扇のように、「形として残るもの」を皆様のお手元にお届けする事は、とても有意義であると思い、今回スタッフの皆様の手助けもいただきながら実現しました。

手拭い　1枚　1,200円　　
クリアファイル　1枚　300円

能meetsの会場でも販売しております。

また、ご希望の方はこのホームページにても受け付けております。※恐れ入りますが、送料はご負担いただきます。

お支払方法等は改めてお知らせ申し上げます。

皆様是非お求めください。