能meets新橋7/18スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

7月18日(月祝) 能meets新橋 3講座

能面解説
装束解説
殺陣体験

開催しました。
二ヶ月ぶりの新橋です。

まずは

12時 能面解説

久しぶりの新橋での能面解説です。

林本先生は、ただただ能面をお見せして、説明するのではなく能の演出家ともいわれる能面たるお話からはじめられます。


先生の舞台の経験や、世阿弥の言葉。
それを引用しつつの解説。
能そのものの魅力を感じてからの、能面そのもののお話。

そこでも、能面をお見せする前に「なぜ能面を大切にするか」のお話。
お能のルール、能楽師の方にとっては当たり前のお話なのかも知れませんが、やはり何度聞いても感心します。
伝統芸能の素晴らしさ、長きに渡り伝わってきた、今まで残ってきた理由がそこにあるのだと思います。

時にその能面が使われる曲のお話などもされて進んでいくので、能面解説といいながらも包括的にお能触れることができますし、やはり舞台が見たくなります。

能面の解説だけだとすぐに終わるかもしれない講座ですが、あと5分で講座終了するというときに、用意されていた10面の面がなんとまだ半分くらい袋の中という先生らしい能面解説…

能面そのものもですが「お能」という魅力をたっぷりと感じた能面講座でした。

14時 装束解説

休憩時間も準備を糸針で

装束の着付けの実演もですが
楽屋での、約束事もお話しされつつ進められていきます。
「舞台は楽屋から始まっている」ですね。

まずは先日先生がお勤めになった弱法師の解説を少しされ、謡の実演も。
装束だけをお見せするのではなく、装束から繋がる「演劇としての能」に触れつつ始まった、装束解説。


今回モデルは東京スタッフの安井さんにお願いしました。
安井さんに伝えると
「えー!ちゃんとメイクしてくれば良かった」と。
最終的には見えないんですけどね、と先生も笑って仰ってました。

装束の着付けをしながらも、楽屋での心構えやルールを教えていただきます。

「その日の舞台のため」「おシテに良い舞台を勤めていただくため」そういったことがベースになっているさまが本当によくわかります。

これは他の舞台芸術や、日常でも心していたい部分だと思います。

そして更には昔の知恵や着物の基礎知識まで。
お能のことだけでなく、日本の伝統も同時に知ることができる装束解説でした。

最近大阪では能面や装束の講座をやっていないのですが、また大阪でもこういった基礎を含んだ包括的な講座を企画したいと思いました。

さて、3講座目!
先生、よろしくお願いします。

16時 殺陣体験

たくさんのお申込みがありました!ありがとうございます。
貴重な能の殺陣を体験していただける機会です。
見学の方もいらっしゃり、とても嬉しかったです。

能の刀の持ち方などを歴史を踏まえてお話をしてから、まずは摺り足。

これが本当に難しい!
頭で考え出すと、一歩をどうだしたら??と
歩くことすら出来なくなるのはスタッフも経験済みです。

構えから、2人組になって基本的な斬り組。
大変難しいですが、お能の見せ方のルールが随所に散りばめられているので、見学の方も熱心にメモを取ってくださってました。

1組ずつお稽古し、他の方はそれを見る。
こうやりますというやり方だけでなく、こちらが意識をすることを伝える。
難しいからこそ、上辺だけではなくその芯となる部分も先生は熱心に伝えていかれます。

最後は一人ずつ先生と対峙。
これは貴重な経験で、それまでとは違う顔立ちになるのが見てる方にも伝わります。

先生の持ち込む緊張感が伝わるからですね。
そして、いよいよ各組ごとに。

一度経験した緊張感から、皆さん止まらずにやり終える事ができました。

3講座、しかも能面、装束、殺陣と
どれも大荷物な講座、
弱法師のおシテ翌日移動され、観世能楽堂での武田宗典之会に出演された後というスケジュールでした…しかも間にはお社中の方のお稽古も…。

林本先生お疲れ様でした!

当日お越しになる方もいらっしゃり、嬉しい新橋開催となりました。
皆さま、暑い中ご参加ありがとうございました!

次回は

9月26日(月)19時「清経」一曲解説

10/10ならでは能(奈良)で林本先生がおシテを勤められます。
奈良・・・と思われるかもしれませんが、なんと10/16観世能楽堂(銀座six)で開催される山階会でも上演されます。
林本先生はおシテではないですが、東京でも一曲解説後に舞台をご覧いただける機会です!ぜひ。