能meets北浜「鵺」スタッフレポート
能meetsスタッフブログスタッフです。
6月15日(木)19時 能meets北浜「鵺」
開催しました。
何度か謡と舞の一部は博多や高知の能meetsで見ていたのですが、一曲まるごとは初めてです。
今回はありがたいことに前の週の霜乃会(林本先生がご参加の伝統芸能のユニット)のトークショー型の講座
霜乃会プラスで、落語家の桂紋四郎さんと事務局の朝原さんが案内役となり林本先生が「世阿弥」をテーマに話され…
その中で見事な能meets北浜「鵺」の宣伝を林本先生が展開され…その時は笑いを誘っていましたが、実際に霜乃会で興味を持ちました、と一言添えて申し込みをされてる方が数名いらっしゃいました!ありがとうございます!
いつもお手伝いをして下さるスタッフ陣で参加したのですが…
手前味噌ながらとても楽しみになりました。
鬼の能が得意だった世阿弥が、一度鬼の曲から離れ、そして再び戻ってきて書いた「鵺」
果たしてどんな内容なのか、そこへの思いは…
この日林本先生は学校公演で安達原のシテを勤められたあとに北浜に移動…前日も学校公演だったので
二日連続おシテです。
お疲れのようですが、始まるとそんなことは全く感じさせないような講座です。
まずは鵺の予備知識
鵺を観るための講座ですが、その前にまた予備知識が必要なのがお能の特徴。
歴史背景や登場人物など…時にかなりのボリュームになりますが、そちらを話されいよいよ本編の解説へ
今回の講座、解説と実演の切り替えがこれまでよりも
カットチェンジな印象でした。
解説をお話していて、その句読点でいきなり謡に
謡ながらも立ち上がり、動きの実演
臨場感が増す演出のように思いました。
臨場感で言いますと、今回はこれまでで一番長いのではないかと思う実演シーンがありました。一曲解説でこのボリュームの実演を観られるとはというほどです。
いつものようにシテが真ん中に座る…というところ
普段であればそこからシテはほとんど動かないというお話でしたが、鵺は違います。
先日の高知の謡の講座でもお見せした部分。
仕方話(どう亡くなったかというお話)なので、最後はググっと盛り上がります…が、そこからスッと普通の話し方に。
息が切れていないのが驚きです、きっとかなりしんどいところだと思います。
解説の為にお稽古をされていたのはこういうところで発揮されるのでしょう。
終わったときに思わず客席から息が洩れた…そんな実演でした。
能meetsの醍醐味がたくさん詰まっていました。
そして印象的な前場の終わり方。
それについても色々な演出方法を教えてくださいました。
本来ならば自分の流儀だけを知っていればいいのでしょうが、ご自身は決してやることのない演出を調べられ、それがどういう意味を持つかを考え…それでかつ選ぶのはひとつの演出。
見る側だけでなく、演者の方も「他を知る」ことで深みが増すのだと思います。
また後場の珍しいという登場シーンへと。
「これは珍しいんです」
と言われると、すぐに観たくなってしまいます。
それも先生のお話の運びの面白さだと思います。
言葉をひとつ、語尾をひとつとっても意味があり、興味深い部分です。
そこを丁寧にとりあげての後半。
後場でも珍しい動き「ナガレアシ」
お着物での実演も大変そうでしたが、装束をつけて面をかけて、能舞台で…と思うとこちらも実際に見てみたいですね。
能が終わっても、終わらないのが解説。
世阿弥が晩年に作ったという「鵺」
最後に先生が問いかけられ、こちらももうひとつ踏み込んだところを考えて終わる、そういった講座です。
それを知るためにも「鵺」実際にぜひとも拝見したいですね。
そして霜乃会からの続き…
一度鬼の能から離れた世阿弥が描いた「鵺」のお話
今日の解説前にお話された、とある方のこの「鵺」の感想
もまた引用されての今日の締めでした。
内容だけでなく、先生の調べたことや経験からの講座をきくと、多面的に舞台を拝見できるのではと、舞台を観る自身にも期待が持てます。
果たして本当にそうか…
7月15日(土) 松華会
是非お越しくださいませ。
※おシテは大西礼久先生です。
※林本先生はもうひとつの演目「胡蝶」の地頭を勤められます。
二日連続おシテのあとの能meets北浜
先生、本当にお疲れ様でした。
何より、少し時間が伸びましたが…お越しの皆さまありがとうございました。
次回能meets北浜は
7月30日(日)14時
「夜討曽我」一曲まるごと解説です。
いよいよ!第四回 能meets能の事前講座です!
チケット最先行発売も致します!!
第四回 能meets能
夜討曽我 十番斬
片時も忘るることは ー