能meets北浜「江口」スタッフレポート
能meetsスタッフブログスタッフです。
7月28日(木)19時 能meets北浜「江口」曲解説
開催しました。
先月が6月5日開催で、大の会「融」や松華会「弱法師」などの舞台も挟んだので、ずいぶんと間があいたような感じです。
実はこの江口は謡の最後の部分だけは何度となく先生の講座で聞いておりました。
融同様、お葬式で謡われると…
スタッフの中でも思い入れがある曲。
その部分の解説のみを聞いて、舞台を拝見したことがあるのですが、前半もさることながら、やはり何度も聞いていた最後の謡の部分を初めて舞台で目にして、とても感動したのを覚えています。
なので、丸ごと一曲解説がとても楽しみでした。
換気もしっかりしつつ距離は取っておりましたが、感染状況も鑑みて、先生もマスクをつけて講座をさせていただきました。
先生も随分と言葉が難しかったと仰った江口。
まず冒頭で西行法師のお話を。
そして舞台展開へと進んでいきます。
物語を暗示する冒頭、次第のお話から…
いきなり難しい…そんな印象でした。
でも同時にワクワクしました。能meetsに何度か参加されている方にはわかっていただけるかと思います。
初参加の方も今日は多くいらっしゃったので、丁寧にそして面白く、お能のルールや約束事も説明されていました。
伏線をひいたり「時間があれば説明します」と話されながら、前半が早くも終わりました。
長い時は前場で8割時間が過ぎている曲もありますが…江口は実際に前半が早いそうです。
後半もお能ならではだったり、江口だからこその興味深い演出がたくさんありました。
それを先生が面白く解説してくださいますが、ふと核心に触れると思わず頷く内容だったり…
そして後半のここからが長いと仰った部分。
たしかに…それまで「お、いけるかも」と思って聞いていましたが、ザっと謡の文章を読み上げられただけでくじけそうになりました。
…が、そこを先生に丁寧に丁寧に解説されると
俄然興味が沸いてきます。
難しいからこそ、わかりにくいからこそ、面白いんです。
そして、丁寧にとはいえ、もちろん問いかけ部分を残して、全ての答えを教えてもらうわけではない解説です。
だからこそ、早く舞台を観て自分でどう感じるかを知りたくなるんです。
状況ではなく、想いを聞いてから、その部分の謡を聴く…
燃焼からの、一瞬の開放、それも内なる。
少ない動き、決まった型であるけれど、それが幾重もの意味をなして終わるラスト。
お能の魅力がギュッと詰まっているように感じました。
時間になっても、机に最初から準備されていた面は袋から出されることもなかった、これまでで最長の講座となりました。
確かに、難しい。
いつも以上に、知っておいた方がいいことや
わかっていたほうがいい、理解しておいた方がいいお話が多かったと思うのは動きも少ないからかもしれませんが
だからこそ、実際に観るのが楽しみで
それを知らずに観ると確かに、楽しめないかもしれないと改めて思いました。
「面白や」印象に残った言葉です。
知っているからこそ、言えるんですね。
難しい言葉もたくさんありましたし、最初にお話されたように動きも少ない曲でしたが、
冒頭のワクワクはちゃんと講座中に回収されました。
何も勉強せず見てしまった舞台が、本当にもったいないと感じた今日でした。
マスクをしての講座は、皆さんにも聞きとりにくい部分もあったかもしれませんが、ご協力ありがとうございました。
先生も大変そうでした。(時間も伸びましたし…)
早く何も不安などなく開催できる状況になりますよう、願っております。
次回
能meets北浜は
8月18日(木) 19時 阿漕 曲解説
です。
実はこの阿漕も以前舞台を拝見したことがあるのですが、そんなに楽しめなかった経験が…まったく下調べをせず、当日のチラシのあらすじを読んだくらいだったので
また能meetsの解説、その後の舞台が更に楽しみになっています。