能meets北浜「二人静」スタッフレポート
能meetsスタッフブログスタッフです。
5月19日(金)19時 能meets北浜「二人静」
開催しました。
スタッフも仕舞しか観たことがない曲でしたので新鮮な気持ちで待っていました!
最初は「二人静」の成り立ちについて…
そもそもは一人で演じていたものが、二人の静が登場する演出になり、「二人静」というタイトルになったという説があるそうです。
面白いですね。
本来はどうか、わかりませんが現在は「二人静」は
二人の静が出てくるというのがお能では珍しいところ。
歴史的な登場人物の背景のお話
1月7日のお話
必要な要素をちゃんと聞かせて下さるので、歴史についても全く知らない…ではないところから解説が始まります。
能舞台の上の進行や役割も都度説明をされるので、お能について初心者の方でも楽しんでいただけるのが能meetsの講座です。
いつもとは違う菜摘女の登場。
今まで聞いた曲では登場ですでに思いが内に込められているというのが多かったので、今回はそうではないところが新鮮で、だからこそ情景などをどう感じるのかが楽しみな曲です。
舞台へ出て来ず橋掛かりで留まる女
その見方の面白さや演出の狙い
前場の女に、菜摘女がどうリアクションをするのか
その演出の違い。
先生はまずどう思うかと問いかけをされます
そこでこちらも考えます、そののちに、その演出がそういう効果を生むかをお話してくださいます。
感じたことを具現化して伝えて下さることで、こちらも改めて見方の違いがわかり、とても面白いです。
今日は二足の大切さを繰り返しお伝えされていたのが印象的でした。
菜摘女に憑依するという部分では
複数の実演を見せていただき、それがまた当日どうなのかという興味も沸く部分です。
珍しい舞のシーン
観客をも巻き込むような感覚になる演出
見せ方が本当に面白く、現代演劇にも通じる部分がもうここにあったのだと思います。
そして登場するもう一人の静…ワクワクします。
季節を変えることで、情景を感じる謡
能面を掛けているので全く見えないもう一人との相舞アイマイ(二人で舞う舞)のあわせかた…これは難しいからこそ見応えがあるのだと思います。
6月の大阪観世会では立出之一声(タチイデノイッセイ)という小書(特殊演出)なので相舞部分は少ないそうです。
そして急に変わる一人称
勉強していなければ絶対気づかない部分ですが、それを知っていれば視点が変わったことに気づく…
やはり準備してお能を見ることもとても面白いです。
最後の舞
そしてその謡の意味
議論がある部分だそうですが、それを実際にどう感じるのか
これは舞台を観ることでまた変わりそうです。
先生がお聞きしたという、とある能楽師の先生の言葉
それもまた興味深いものでした。
「執着」それが何に対してか…面白ですね。
普段から能談義をされている林本先生だからこそ、こういったお話を聞けることも能meetsの醍醐味です。
先生もまた先ほどまで考えて、だからこそまだまとまっていないというお話をして下さいました。
タイトルや、舞の見え方、太鼓がないことにも通じる深さ…その見方もまた面白く、なるほど…と思うお話でした。
最後はちょっと笑いが起きるお話もあったところがまた先生らしい締め方でした。
ますます拝見したくなりました!
ストーリーだけでなく
お能の演出の面白さを再確認する曲だと感じた「二人静」
近々観ることができます!
「二人静」
6月10日(土)大阪観世会(大槻能楽堂)
大西礼久先生、梅若猶義先生がおシテを勤めらます。
林本先生は当日は仕舞の地謡と
観世宗家の能「実盛」の地謡を勤められます。
チケットは大の会HPでも承りますのでよろしくお願いいたします!
そしてその前の週も
6月3日(土)松華会
先月の解説曲「野宮」が演じられます。
林本先生も船橋という珍しい曲の仕舞を勤められます。
次回能meets北浜は
6月15日(木)19時
「鵺」
一曲まるごと解説です。