令和7年もありがとうございました
お知らせ巳年の年男でありました令和7年も、終わりを迎えようとしております。本年も様々能の普及活動をさせていただきました。最近は大晦日にこの一年を振り返る事が多く、此度も思い出しながら色々と書かせていただく事にします。
令和7年は、私の本公演の大きな柱である、「大の会」「能meets能」は色々思うこともあり、お休みをさせていただきました。しかしながら、本公演として、各所よりご依頼を頂戴し、主役を演じる事の出来た一年でした。
まず何よりも、2月15日(土)高知県民文化ホールにて「能meets能高知」公演(船弁慶シテ)を開催できた事は、ご縁あり数年高知で講座活動を行ってきました我々にとりましては、大変喜ばしくありがたい出来事でした。ホール館長はじめ地元のスタッフ方々本当に親身になり、この会を支えてくださいました。そのホスピタリティには当日参加の能楽師も驚く程で、この一年の中でも最も思い出深い公演となりました。
その他能楽協会の依頼や(2月9日土蜘蛛シテ)、吹田浜屋敷能(3月16日「胡蝶」シテ)、西宮能楽堂定期公演でも舞わせていただきました(5月10日鵺シテ)。毎月通っております京丹後の社中皆様による「丹能会能楽鑑賞会」(8月31日熊坂シテ)も無事盛会に終えることができました。
また同じように、佐賀県呼子の社中の皆様は、地元で能の文化を是非にという強い思いで、「能をYOBUKO」が開催され、チケット完売し、解説と「融 舞返之伝」をご覧いただきました。この模様は、NHKBS放送「新日本風土記」にて取り上げられる予定です。(1月5日BS4K 6日BSにて放映予定)
私が指導しております教室の皆様が、地元に能を広めたいと考えてくださり、今年は京丹後・呼子にてそれが叶いました事も、大きな収穫でした。全国の大声会社中の皆様には、もっとも身近で私の背中を押してくださり、この場をお借りし御礼申し上げます。
又、本公演ではなく講座活動としても、全国色んな会場に行かせていただきました。「能meets」講座としては大阪北浜・東京新橋は勿論、宇都宮・高知・札幌にも出向き、現地スタッフ皆様に本当にお世話になりながら、能のエッセンスをお話致しました。
自主的な企画の「能meets」以外にも講演依頼を沢山頂戴し、「堺陵東ライオンズクラブ」様、「奈良シニア大学」様、「阪急たびコト塾」様、「劇団フルーツバスケット」様等沢山の企業団体様からもお声掛けくださいました。
「能meets」の普段の講座とは別に、「能meets謡十徳」、「能meets能カカリ」、この二つを昨年から行っております。
前者「謡十徳」は大阪扇町にて毎月、一つの演目を取り上げて謡の稽古をするもので、このワークショップを契機に、本格的に謡の稽古をされる方が増え、嬉しく思っております。
また後者「カカリ」というものは、いわゆる「講座と公演の中間」を目指し企画したもので、能をご覧になられたことがない方には大変分かりやすく、また初級者のお客様は中級者レベルまで押し上げることが可能な公演と自負しております。
来年1月24日(土)には扇町ミュージアムスクエアにて、「能meets能カカリ 安達原」を開催します。お時間よろしければ是非お越しください。
個人的には本年松華会定期公演にて、大曲「俊寛」を勤め、山階師はじめ大先輩からもご指導いただきました。「動いてみせる能」から、「動かないで表現する能」へと、自身の芸が変化していく、その契機になるような一曲でした。
特殊な活動では、毎年行っております「霜乃会」(能・講談・落語・浪曲・文楽・茶道・華道のユニット)も秋に本公演を開催、メンバー皆忙しいながらもこのように年一度集まるのは意義のある事と考えています。この霜乃会でも、夏に「能楽と郷土を知る会」様主催により、子供教室を開催でき、私はありがたくも「土蜘蛛」シテを勤めさせていただきました。
今年は思いも寄らない方からお声掛けいただいたり、重役を任せていただいたり、ありがたい事ですが、その分前にも増して身を引き締めて取り組まないといけないと自覚を大いに感じた年でもありました。東京でご活躍の「能楽談ディズム」様から思いがけず出演ご依頼頂戴し、先輩佐久間二郎さんの仕舞「舎利」のツレ役を勤めさせていただきましたのも、いい経験となりました。佐久間さんからは、「以前から林本さんの活動に興味があったのです」と仰っていただき、活動が実を結ぶことを実感しています。
また大きな責任のひとつに、本年11月3日吹田市より、「吹田市文化功労者」として表彰をいただいた事があげられます。肩書に縁のなかった私にこのような表彰は身に余る光栄ですが、その分重みもあり、今後の私の活動にとりましては大きな糧となりながらも、「そんな事でいいのか」と私を厳しい目で見てくれる、そんな存在の賞ではないかと思っております。
来年令和8年(2026年)は、舞台では先程申し上げたように、1月24日(土)「能meets能カカリ 安達原」があり、主役を勤めながらも、どのようにしたらお客様にこの魅力をお伝えできるか、懸命に取り組みます。
2月は東京の盟友武田宗典さんからお誘いいただきまして、アメリカテキサスにての海外公演に参加。海外で能がどのように受け入れられるのかこの目で見届けたく思います。
3月14日にはワキ方江崎欽次朗さんが企画される「たつの能」にて、こちらも大曲「鉢木」シテ役を頂戴しております。セリフが大変難しいこの曲をしっかり稽古し、期待を掛けてくださる江崎さんの思いに報いたく思います。
またその1週間後の21日には、地元吹田市にございます施設にて「吹田浜屋敷能」が、小鼓方上田敦史さんによる企画で開催されますが、私の吹田市文化功労者表彰を受け、その記念として「乱」シテ役を舞わせていただくことに。上田さんのお心遣いに感謝しながら、精一杯勤めます。
※上田敦史さんは兵庫県の丹波にて「丹波みわかれ能舞台 江月庵」を建てられ、丹波から能楽を発信する活動を続けておられます。本年会館記念公演に私も参加。能楽界にとって一つの宝が誕生した年でもありました。
6月6日には松華会定期公演にて「天鼓 弄鼓之楽」を演じます。こちらも近くなりましたらSNSやホームページにてご案内申し上げます。
そして…一年お休みをさせていただきました本公演を、今回は「能meets能」として!11月29日(日)大槻能楽堂にて開催することが決まりました!おそらくこの日が私にとりまして令和8年の中でも最も大きな舞台になるかと思います。
演目は…残念ながらまだ明かす事が出来ませんが(それだけ慎重に取り組んでるとお考え下さい…)時期が参りましたら発表させていただきます。
その他もまだ詳しく申し上げられない企画もありますが、必ず皆様に満足していただけるよう、しっかり内容をスタッフと共に精査し練り上げて、お届け致します。
2月で49歳、40代最後の年を迎えます。この40代何をしてきたかを振り返りながら、少し疲れることもありますが、どんどん次の目標に進んで参りたいと考えております。
いつも私の活動に温かい眼差しを向けてくださいます皆様には、心より御礼申し上げます。
令和7年の能meets講座 全部で48回 のべ730名 能meets以外も計算するともっと沢山の皆様にご参加いただきました。
本当にありがとうございました。
令和8年が皆様にとって素敵な一年になりますよう、心より祈念いたしております。
これからも、「大の会」「能meets」を、そして「能楽」をどうぞよろしくお願いします。
令和7年12月31日 林本 大