能meets北浜「野宮」スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

スタッフです。

4月10日(月)19時 能meets北浜「野宮」

開催しました。

まだ先生が勤めていない曲で、お稽古をしつつ資料作成をやっていたという野宮。

難しい難しいとずっと今日まで仰っていました。

でも、難しいから面白いとは普段から先生が言っている言葉です!

 

こちらは6月3日(土)湊川神社新能殿で催される

「松華会」で吉井基晴先生がおシテを勤められる曲ということで解説に選んだ曲です。

能の一般的なイメージとして動かない・静かというものがあると思いますが、この曲はその典型です

といういきなりハードルがあがるお話。

でも、

だからこそ能の神髄があると思います…という言葉に、挑戦してみたいという気持ちが沸きあがります。

きっと能meetsに何度かお越しの方は同じように思われたのではないでしょうか。

 

まずは予備知識として源氏物語のお話。

 

葵上の時にも聞いた「車争い」

野宮を訪ねる光源氏

たっぷりと15分前置きがあってからの本編。

やはり準備が必要なんですね。

 

まず後見によって運ばれてくる作り物「鳥居」

その運び方や意味するものなどのお話を少し…

それもどうやら伏線がありそうです。

 

道具である榊の扱い方、置き方、捉え方

少しの向きを変える所作

全てに意味があり、そしてまた色々な見方があるところが難しく面白い。

演者の想い、そしてそれをどう感じるのかという客観的なお話。

 

先生の意見や、先生が実際に聴いた諸先輩のお言葉も途中差し込まれていきます。

そういった先生の経験のお話が聴けることが、能meetsの貴重なところだと今日はまた感じました。

 

大事なところほどシテは動かなくなるという他の曲でもよく言われるお話。

難しいですが、いつも以上に言葉ひとつひとつがとても大切な曲だと感じました。動かないからこそ、言葉に謡いに注目できるのかもしれません。またその時のおシテの佇まいなどこちらもしっかり知ってみると、きっと知らないより感じ方が変わるんだろうと思います。

 

だからこそ今日は

クリ・サシ・クセ・ロンギという謡のお話も詳しくされました。

それを知って聞くとまた感じ方が変わります。

 

源氏物語と能の設定の違いも大変興味深いお話でした。

それを知っているからこそ感じる部分。

知らないと知っているのとでは大違いです。

 

途中途中、光源氏の話を参加の皆さんにも「どう思われますかね」と問いかけられ、そのたびに皆さんから何とも言えないリアクションの声があがるのが面白かったです。

きっと、色々な想いをそれぞれにお持ちだったと思います。

実際にご覧になったときもそれぞれが違う想いを抱くかもしれないですね。

 

前半が終わり後半に入ったところですでに残り5分…。

 

そのシーンが意味することや、こう見えてくる、という「見方」

序の舞、破の舞の感じるところ、そういったお話がたくさんあり、実際に舞台でどう見えるのか何を感じるのかがとても楽しみです。

 

 

六条御息所という人物

「葵上」「野宮」

二つの曲の解説

最後の先生の捉え方を聞いて、またどちらの曲も拝見したいと思いました。

最後の少しだけの動き、最後の最後の謡…

先生の実演で色々こみ上げます。

なんという終わり方…

嫉妬の向こう側

このためにあるそれまでの時間なのでしょうか。

 

2時間近くかかるこの野宮

それだけの時間をかけるからこそ感じるものがきっとあるのだと思える解説でした。

 

時間をオーバーして終了しました。

皆さま、最後まで先生に質問をされたり、感想を話されたりしてお帰りになっていたのが印象的でした。

ご参加の皆さまありがとうございました!

 

そして先生はなんとこのあと北浜会場で、お稽古です。

 

是非とも6月3日(土)松華会でご覧くださいませ。

当日は林本先生も船橋という珍しい曲の仕舞を勤められます。

松華会詳細大の会HPはコチラ

チケットは大の会からも申込みいただけます。

 

次回能meets北浜

5月19日(金)19時

「二人静」

一曲まるごと解説です。

北浜お申込みはコチラ

 

そして今週末は

能meets新橋

4月16日(日)

13時  囃子のお話

15時半「小袖曽我」解説

 

新橋お申込みはコチラ

 

 

大の会主催ではないですが

来月5月には林本先生が所属している霜乃会本公演があります!

こちらも是非!!

霜乃会本公演 霜華咲 源平物語

5月6日17時

5月7日13時・7日17時

国立文楽劇場

霜乃会出演情報詳細