能meets北浜「安宅」スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

能meetsスタッフです。

3月10日(木)北浜RONDOで能meets北浜「安宅」

を開催しました。

前回の「邯鄲」が2月末だったので、あっという間の3月の能meets北浜という感覚です。
先生も前々日には福知山で新作能のおシテを勤めておられました、その時に「え!?もう明後日『安宅』でした!?」と仰っておりましたが…
さてさて

個人的にお能を見始めて本当に最初のころにこの「安宅」を何の予備知識もなく拝見して、かなりの衝撃を受けたのです…
お能なのに顔出てるし、お能なのに隊列組むし(戦隊ものみたい!と思ってしまっておりました)、人いっぱいやし、数珠のじゃりじゃりとか本当に「??」「!!!」と衝撃と疑問の連続でした。
でもとにかく「面白い!」と感じ、
その後も実は安宅は拝見し、次の松華会別会で4度目となります。
予備知識で観た3回とどう変わるのかをスタッフとしてもとても楽しみに本日の講座を待っておりました!

今回も台をなしにして、広めに舞台をあつらえてみました。

林本先生も今年から参加されている松華会。
その2年の延期を経て、開催される別会が5月5日で、こちらの「安宅」を林本先生とご一緒に伝統芸能の会「霜乃会」で活動されている今村哲朗先生がおシテなのです。
能meets能などでもいつおお世話になっている今村先生の安宅の披き、そのために今回の解説を林本先生が企画されました。

今回の安宅は登場人物が多い!
本当であればここに4人と5人が…と先生もいつも以上に場所を移動しつつ解説をされます。
最初に登場して並ぶだけでも大変そうな人数です。
安宅だからこそ起こる、独特の面白いお話も聞けました。

もちろん講座は先生お一人ですので、いつも以上にこちらも想像しながら講座を聞いていましたが、想像するだけで圧倒されそうな冒頭。
更に、謡も本当は10人で謡う…と先生お一人で謡われたんですが、一人でもかなりの迫力です。これが実際の舞台では…

「移動」に関する冒頭の道行の謡。
地名などが謡われるのですが、内情が表現されているというお話を聞いて、その迫力に大きく頷きました。
その想いをどう受け取るのか、早く実際の謡を聞くのが楽しみになりました。

とある台詞が人によって違うというお話もされていました。
果たしてその言葉が舞台でどう聞こえるか、これもまた楽しみですね。

9人の謡を一人で、9人の動きを一人でされるので、いつもよりも力が入っていたように感じました。
それだけでなく「想い」のこもる「気」の入った謡。
先生が倒れてしまうのではと思うほどの実演でした。

「序破急」のお話は、難しくも大変面白かったですね。
これだけを取り上げても十分色々なお話が聴けそうなくらいに、深く厚いお話でした。

勧進帳のお話も面白く…
新しい見解も聞くことができました。面白い!
参加の皆様の感嘆の声も聞こえましたが、私も思わず唸ってしまうお話でした。

能の「安宅」と歌舞伎の「勧進帳」の違い。
見た目だけではなく、深い部分での違い。
最後の最後までストーリーも演出も見どころの多い「安宅」という曲、そして今日の解説でした。
しかも時間をオーバーしてもまだ話し足りないという先生でした。

スタッフ自身がもう3度も拝見した「安宅」の舞台。
今回の解説を聞いて更に楽しみになりました。
何も知らずに初めて観て受けた衝撃があり、ある程度あらすじを知ってから観たそのあとの面白さがありますが、
今日の講座を受けて期待が更に高まったんです!

これからも伝統芸能だからこそ、能meetsでは皆さんが、もう観たことがある曲の解説があると思いますが、舞台を観る前の講座はもちろん、もう観てから講座を聞くことも本当に面白く、自信をもってお勧めできます!
知ったつもりでも違ったり、また違う見方を知ることが出来たり。
新しい発見を約束できます!
ますます今後も楽しみになりました。

夜中の3時に仕上げたという「安宅」のレジュメ。
少し誤字もありましたが…熱のこもった実演を交えた「安宅」の解説、途中先生には珍しく息が少しあがっているほどでした。
スタッフには、いつもご一緒に活動されている5月5日のおシテ、今村哲朗先生へのエールのように思えました。
先生、お疲れさまでした!

次回は
能meets北浜

4月25日(月) 19時開催
「大原御幸」曲解説

です。

こちらも、5月5日(木・祝)松華会別会で上演される曲です。
林本先生がツレを勤められます。

一つの催しで演じられる二つの舞台を2カ月連続で解説。
是非とも来月もまたお待ちしております。

5月の北浜も松華会7月公演で林本先生がおシテの「弱法師」
6月は、いよいよ二度の延期を経て開催される第二回大の会「融」の事前解説。

力が入りなんと1日に二回の講座、しかもゲストをお迎えいたします!

能meetsから能舞台へ、道を創りたいと仰っていた先生の想いがこもった、シテを勤める舞台自らの事前講座です。
引き続き能meetsをよろしくお願い致します。

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