番外編「大声会」スタッフレポート

能meetsスタッフブログ

スタッフです。

3月5日(日)林本先生の能楽教室「大声会」謡と舞の発表会

吹田メイシアター中ホール

にて開催されました。

お稽古会や、非公開での小さな発表会は何度かされたことがあるそうですが、お客様を入れての大きな発表会は初となるというお話でした。

延期もされてようやくの開催。その為に残念ながら出演が出来なくなってしまったお弟子さまもいらっしゃったとお話を聞き、色々な想いがこもった会となりました。

もちろんこの日の為にここ数カ月、更に今年に入ってからのお稽古場は皆様の熱がこもっていたようで(それはきっと先生もだと思いますが)いつもより遅い時間までお稽古場を開いたり、回数も多くなっていたようです。

能楽堂ではなく、ご縁のあるメイシアター中ホールを初めての発表会に選ばれた林本先生。能楽堂とは違いますが、能舞台をもちろん設置していただきます。

朝から舞台スタッフの皆さまありがとうございます!

打ち合わせもさせていただいた舞台スタッフの小倉さんは「林本先生は次このお仕事なんですね」と調べていたご自身のスマホを見せて下さったり「お能を知ろうと思いまして」と色々とお話をしてくださいました。

このお心遣いも本当に嬉しいです。

林本先生も当日はたくさんの荷物を運んで会場入り、楽屋の準備や会場の具合、更には客席からの見え方を舞台監督の方や、照明スタッフの方やカメラマンの野口さんとも打ち合わせされます。

生徒さんがみえてからは、声の届き具合や、扇や着物、袴の準備と一度も止まらず会場内を駆け回っていらっしゃいました。

出演される皆さまも、舞台の建て込み終了から開場までの時間で、位置の確認や所作の確認など思い思いに、でも譲り合いながら舞台の感覚を試しておられます。

ロビーにも、当日のパンフレットや先生ご出演のチラシの他、入口付近に素謡の演目の詞章や解説の配布物を設置するなど、林本先生から観に来られる皆さまへのお心遣いがありました。

実際ご来場の方が喜んで手にされていました!

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番組の最初は「発声」出演は大声会有志となっています。

これは舞台にいきなりあがって緊張したり、勝手がわからないことを少しでも防ぐためにどなたでも希望の方がお着物でなくとも白足袋だけご用意していただいて出演し、その皆さんで「老松」を謡うというものです。

もちろん林本先生も。

出番が後の方の方でもこの為に来られたり、中には当日この演目だけに出ますと来られたお弟子さんもいらっしゃいました。

舞台で発表する経験を積むことは貴重です。

この日の為だけではなく、次の発表会への予行演習にもなったと思います。

そこからは怒涛の6時間の舞台。

皆様日々の成果を発揮されていました!

舞台裏では着付けをお手伝いしていただくスタッフの方もいらっしゃいますが、

「袴いつでも言ってください」と何度も楽屋に尋ねて来て下さる出演能楽師の先生もいらっしゃってとても感動しましたと、後から出演されたお弟子さんにお聞きしました。

始まる前に客席からの見え方をチェックされている能楽師の先生もいらっしゃいました。

見台を運ぶ、めくりを捲る、ただそれだけでもただそれだけではなく、隅々まで気を配ってくださる先生方のお力添えもあり、

とても気のこもった舞台となりました。

後で「あの時の〇〇先生の謡が!」と興奮して感想をお話くださるお弟子さんもいらっしゃり、舞台に立った皆さまの喜びが伝わってきました。

メイシアターには小ホールと大ホールもあり

この日別のイベントに来られた方がちょっと親子で舞台を覗きに来られたり、看板を見て「お能ですか?」と尋ねられたりしたのも、能楽堂にはない面白い機会だったと思います。

そしてなんと一昨年林本先生が所作指導で参加されたメイシアターファミリーミュージカルにも出演された皆さんが、今年のファミリーミュージカルのお稽古中で、その休憩の合間に林本先生の姿を見に来てくださいました。

お世話になっているメイシアターの館長も、会の途中と最後の林本先生の番外仕舞にも足を運んで観て下さいました。

番外仕舞「嵐山」

気迫のこもった林本先生と、初の発表会を支えてくださるシテ方の先生方のお祝いの気持ちもこもった素晴らしいものでした。

この番外仕舞は当初3人の地謡の予定が、林本先生の初めての会だからと、残っていた全員が謡ってくださるというものでした。

気持ちに気持ちで応え

さらにその気持ちが良い舞台をうむ

そんな空気に満ちていた会でした。

きっとお弟子さん方も更にまたお稽古に励もうという心持ちになられたのではないでしょうか。

出演のお弟子さんは、大阪や奈良だけではなく
京丹後や、徳島の美馬教室、東京のお稽古場の方もいらっしゃり、それぞれのお稽古場の方が応援にも駆けつけてくださっていました。

普段は別のお稽古場の方がこの日は楽屋で交流があったり、林本先生も久しぶりにお会いする方が発表会だからと駆けつけて下さったり。

ロビーでも出演後に舞台を観ようと出てこられた出演者の方が、ご自身を見に来られたお客様とお会いして、感想を嬉しそうに聞いている姿や、いただいた花束を抱えている姿を拝見出来たり、お写真を撮らせていただいたり。

と、嬉しい瞬間を目にする事がたくさんあり、そういった意味でも発表会の意義や大切さを感じました。

この日の舞台を糧にまたお稽古に精進されることと思います。

能楽師の先生方ありがとうございました。

そして発表された皆さま本当におめでとうございます!

10時前から劇場入りして駆け回り、更には6時間にわたる会で7割以上の時間舞台に出演されていた林本先生お疲れ様でした