能meets能「葵上」スタッフレポート
能meetsスタッフブログスタッフです。
10月30日(日)第三回能meets能
「鬼女ふたり~こころ、ならずも」大阪公演「葵上」
山中能舞台で開催致しました。
朝から天気にも恵まれ、寒くはなってきておりましたが、日の差し込む窓際は暖かく感じるような当日でした。
林本先生も朝からスタッフ陣と共に能舞台入り。
すぐに楽屋の準備へと取り掛かってくださいました。
スタッフはロビー作りと、見所(客席)に分かれて準備。
この客席の配置も山中能舞台は常設の椅子があるわけではないので、なるべく皆さまに気持ちよく観ていただけるようなものを先生と共に考えます。
山中能舞台の計らいで、事前に一度見せていただいておりましたが、当日のお客様にあわせて最終チェック。
林本専先生も実際に色々な席に座って確認されます。
お昼前にはいつも撮影をいただく工房円さんが来られ、
器材を皆で運んでこちらも設営にかかります。
今回も配信を予定しております!
ロビーが整い始めたころ、続々と先生方もお見えになります。
地元の大阪だけではなく、能meets能はいつも林本先生のこだわりのキャスティングで、京都や神戸、そして東京や九州からも。
楽屋での様子はスタッフにはわかりませんが、こういった時に皆さまお互いの近況報告や、各地方の能楽事情など意見を交換されているんだと思います。
きまった先生方、というより公演ごとに林本先生が思いを持ってキャスティングされているので、毎回雰囲気が違うのもおもしろいと感じます。
今回は当日券のお客様も見え、少し残っていたワキ席もほぼ満席となりました。
本当にありがとうございます。
解説を前日まで色々と悩んでいた林本先生(!?)
結局当日はシテ自ら解説まで勤めるという判断を…
小鼓の上田敦史先生、大鼓の山本寿弥先生と共に「お囃子の解説」をされました。
能面を掛ける曲の場合、おシテの先生のお顔を見る機会がない事が殆どなのが能公演の特徴でもあります。
なので、お客様にとっては先生のお顔や普段の声を聞いていただける機会があるのは良い事なのかな?とは思うんですが…
ただただ体力的にも精神的にも大変なんですよね…
こういった解説も一般的な「お能とは」だけに留まらず、はたまたその日の曲の解説を少しするというだけにもせず、一歩踏み込んで舞台を観ていただける工夫を凝らしています。
初回は装束着付け
第二回は武田宗典先生の狂言と能の解説
今回は「お囃子」
アンケートや公演あとのSNSでもかなり反響をいただきました。
曲のあらすじは丁寧に当日パンフレットにも載せておりますし(林本先生自ら作成した文章です!)
更に当日はワキ方の江崎欽次朗先生が
「使っても使わなくてもいいから」と葵上の漫画が乗った解説の冊子をご持参くださいました!
こちらも皆さまにお配りさせていただきました!
いつもいつも江崎先生は制作側のこと、もちろんひいてはお客様の事を考えてくださって色々と助けていただきます。
ありがとうございます!
ですのでお囃子の解説ではまた「あらすじ」を知るだけではないお能の見方が皆さまに伝わったところで…
能「葵上」
山中能舞台の最後列でも目の前でつぶさに色々なものが見える贅沢な空間。
手を伸ばせば届くような臨場感の中
客席の空気も高まり、集中している空気が伝わってきますが、きっとお一人お一人舞台を観て感じている事は違うんだろうな、と思うところがまたお能の面白い所です。
まだ配信があるので詳しい事は省略しますが
能meets能では、初の鬘ものに挑戦した今回。
アフタートークではゲストに上田敦史先生を迎えて、お囃子の話や新作能のお話をお伺いし、そこでも少し触れましたが
是非とも高知公演「安達原」と一緒にご覧いただけるとまた違う楽しみがあると思います!
終演後は山階彌右衛門先生が少し離れたところからですが、お客様をお見送りしてくださり、お客様の方が驚いて嬉しそうにご挨拶をされいたのが印象的でした。
なんと多くの先生方が当日の能meets能後すぐに、同じ山中能舞台で新作能「鼓の瀧」の申合せでして…
ハードでタフですね、能楽師の先生方は…
新グッズとして販売した手ぬぐいやノートもたくさんお買い求めいただき、本当にありがとうございます!
配信は
コチラ、ぴあライブストリームから11月21日から開始予定です。
そしていよいよ今回の醍醐味でもある二都市公演!
11月20日(日)11時半・15時
能meets能高知公演「安達原」
そして前日の催し
11月19日(土)14時・17時
能meets高知「神男女狂鬼」
能meets能は来年いよいよ
場所を大槻能楽堂へと変え、
大曲「夜討曽我 十番斬」を開催致します。
日程は2023年11月3日
能meetsを立ち上げ、講座から能楽堂へ能公演の道を創りたいという林本先生の想いから、能公演「能meets能」を企画し
更には能の殺陣である斬り組を参加者の皆さまに体験していただく能meets殺陣を企画し、そこからいつか…という想いがあった「夜討曽我 十番斬」
スタッフ陣も今から心して来年に備えたいと思っています!
皆さまも是非ご期待ください。