能meets北浜「天鼓」スタッフレポート
能meetsスタッフブログスタッフです。
9月6日(水)19時 能meets北浜「天鼓」
開催しました。
今日も全国での能meetsのチラシを飾らせていただきました。
今回の天鼓はスタッフの中でも以前観てあまり楽しめなかったという意見があったので、そういった意味でもとても楽しみな解説でした。
まずはいつものように下準備のお話。
登場音楽の意味や、そこからイメージするもの。
初めての方も最近は多いので丁寧にお能の基礎の解説をされます。
始まり方、作り物が最初に置かれる意味。
そして最初の謡の意味…知っていれば実に聞きどころが多いと思いますが、知らずにいれば確かにわからないし長いと感じてしまうだろうと…
しかもその解説を聞いた上で聞いてみたいと思った部分も、小書き(特殊演出)になると省略されてしまうという…大胆ですね。
また使用される能面の違い。
二つを用意されていたので、その違いを自分自身でも感じて考えられます。またそれがなぜそちらを使用するかを後半に伏線回収のように話されたのも印象的でした。
面白く、時に少し自虐気味に「だからわかりにくい能」のお話を聞きながらこちらが笑っていると、不意に大切なお話に。
スッとお客様の空気も変わります。
ここでまた伏線回収のように、最初に置かれたつくりものの位置と、シテの位置のお話がされ、実際の舞台を想像して色々と感じます。
鼓を打つ場面での
好みや意図で別れる演出のお話。
先生がご存知だった、三島由紀夫氏が「敦盛」を観た感想を含めて解説されたのがとても興味深いものでした。
そういったお話を聞くとますます舞台が、しかも複数回見てみたいと思えるところです。
シテが泣く場面での解釈は
こう考えますという先生の意見が実に多面的で、こちらの想像が膨らみました。
前半が終わった時点で1時間ちょっと
能meetsでは珍しいペースです。
ですが後半が盛りだくさんで時間は結局少し過ぎて終わりました。
確かに後半の始まり方に「?」と感じますが…
舞の見どころも是非見てみたいと感じさせられました。
そして「?」と感じた後半の違和感…
最後の最後に作者不明だと言われているこの曲
難しい解釈ですが
それをどう捉えるかというお話。
弔いの芸能である能だからこその林本先生の解釈。
これまで色々な能meets解説を聞いていたからこそ頷ける部分でした。
是非とも人気曲「天鼓」改めて舞台を拝見したいです。
アンケートにもそう言ったご意見があり、とても嬉しかったです。
最後に皆様に先日先生からご報告された
7月21日に文化審議会にて答申された
重要無形文化財(総合指定)のお話もされ…お話をされ始めた時にもう皆様から拍手が沸き起こっていました。
実はこの日の受付でもスタッフにまで
「おめでとうございます」と言って下さる方もたくさんいらっしゃって、その言葉と笑顔に、本当に嬉しく感じさせていただきました。
スタッフ陣もますます頑張っていきたいと思います。
来月の能meets北浜は
10月4日(水)19時「蝉丸」解説
引き続きこちらもよろしくお願いします!
おかげさまでSS席は完売いたしました!