能meets北浜「半蔀」スタッフレポート
能meetsスタッフブログスタッフです。
6月5日(木)19時 能meets北浜「半蔀」一曲解説
開催しました。
前回に引き続き、会場の設えを変更しての今回。
今日は林本先生は今週土曜日開催される松華会(湊川神社神能殿)の申合せの後、会場入りされました。
林本先生が講座が始まる直前に
「今日で何回目ですか?」と
中止もあったのですが、数えましたところ67回目ということが判明しました!
中途半端な回数でしたが、最初にお越しの皆さまにも発表させていただきました。
そして本日は能楽師の先生がお一人…楽屋から講座を見学されておられ、林本先生はどうだったのでしょうか…?
さて「半蔀」
読み方すら、それがなんなのかもわからない、この曲のタイトル。
まずは予備知識として…
半蔀とは何かの説明を身振り手振りでされる先生。
源氏物語の解説へと
能の曲の題材にもなっているので能meetsでも何度も出てきた六条御息所や葵上、光源氏のお話。
なんとここまで20分以上使っての事前準備の時間…まだ「半蔀」の本題ではありません。
それほど能を見るには予備知識があった方が面白い、という事だと改めて思いました。
登場音楽で違う登場の仕方
名乗り笛・アシライそれによって「やってきた・もともとそこにいた」などの違いを例えを交えつつお伝え
そして何も持っていないのに、本当は持っているという事が謡いでわかるというお話。
さっそく難しいところですが、
実際に舞台を見た時に、このルールを知っていた方が確かに理解が深まります。
また去り際も、暗転も幕も閉まらない能舞台ですのでそれをどう演じるか…というお話。
そういった部分にも知っていれば注目できますし、それが楽しみになります。
なんと前半終了でまだ残り45分
え!早い!と思いましたが「半蔀」は前半が短いそうです。
今日の解説より早く終わると思います、というお話でした…
アイ狂言のお話を終え、つくりもの「半蔀」が後見の手によって運ばれていよいよ後場へと
漢詩の引用から始まる後場
これも知っているのと知らないのでは大きく印象が変わります。
後場の登場では林本先生がかつて勤められた舞台の大変面白い経験談を教えていただきました。
そして登場した夕顔の存在を何と捉えるか…そして林本先生の思い。
最終的にはどのような見方も出来るとお話されました。
どのように観るか、そして感じるか…実際に舞台をみてみたいと思いました!
蔀を開ける場面。
その演出…
大変面白いところ、みどころです。
また正面席で拝見するか、ワキ正面で拝見するかで趣も違うと思います。
ここでも林本先生の経験談が大変興味深いものでした…。
そして後半の序之舞…
林本先生らしい例えを交えて「実際に観たい」という気持ちを喚起される部分です。
人なのか、花なのか…どう見えるのか…
珍しいこの曲の終わり方…
最後の謡
ここまでで時間内だったのですが…
先生は「夕顔」のお話へと
儚い命、恋、そして無常というもの…
最後に先生がこの曲を調べるにあたって、気になったという紫式部の和歌を紹介され
「葵上」の時にあった「投影」のお話に繋がり…
グッとまたこの曲が多面的な広がりを見せたようなお話の締めでした。
舞の導入部分や、夢への導入など、書き方によって作者を分析するというお話や
立花供養という言葉
多くの和歌の引用
難しいけど、大変興味深い曲でした。
「半蔀」とても楽しみです!
最後は4月の特別企画能meetsお花見に参加くださった
月イチ講座の大槻裕一さん、成田奏さんの
6月8日(日)「井筒」の宣伝を…
4月もお知らせさせていただきましたが、講座が公演を開催という、能meetsが応援している企画です。
今日のこの「半蔀」は6月14日大阪観世会(大槻能楽堂)で人間国宝・大槻文藏先生のおシテで観ることができます!
この日林本先生は山姥のツレを勤められます。
ご都合のつく方はお越しくださいませ。
能meets(noh_dai05@yahoo.co.jp)でもチケット承ります。
皆様、本日もたくさんのご参加ありがとうございました。
おまけ…
講座が終わってから見学されていた能楽師の先生に
「良い緊張感をいただきました」と笑いながら仰っていた林本先生でした。
次回 能meets北浜
7月18日(金)19時
「通盛」一曲解説
こちらも教科書には載っていない平家の武将のお話…楽しみです!
同じ大阪開催
能meets謡十徳も来週に迫りました。
6月15日(日)11時
小袖曽我を解説後、皆でお稽古して謡います!
扇町ミュージアムキューブ CUBE05
今月は東京へも参ります!二か月ぶりの新橋です。
能meets新橋
6月20日(金)19時
翌々日22日に開催の武田宗典之会(観世能楽堂)の事前講座です。
是非お舞台とお併せてお越しくださいませ。
