「葵上」つとめさせていただきました!

6月4日、大阪・山本能楽堂にて能「葵上」シテ(主役)勤めさせていただきましたので、ご報告申し上げます。

この曲は源氏物語を題材にし、六条御息所というと高貴な女性の嫉妬を描いた物語。この曲に取り組むにあたり、文章をしっかり読み、勉強してから稽古をし、何度も反復しましたが、当日の舞台は反省も多々ございました。

前半は謡中心で進行していきますが、その謡で女性の躁鬱の様なものを表現しなければなりません。節付けを見ますと、なるほど「なぜこのような節になっているのか」が分かります。気持ちが昂るときには節も高揚し、沈む心の表現には「クドキ」といわれる節付けで、低く謡われます。大先輩のお言葉を拝借しますと、節付けを理解せずに勤めることは、「この曲の作者に失礼」であるということ。

そして後半は、「般若」と呼ばれる「鬼女」の能面を使用します。角が生え、髪の毛も乱れ、牙をむき、いかにも怒りが爆発した表情ですが、目元の辺りが悲しみの一面を持っています。ただ怒りにまかせて舞うというわけにもいきません。

「葵上」におきましては身分の高い女性ですから、「般若」を着用していても、「品よく舞う」事が肝要です。ちなみに、同じく般若を使用する「安達原」は「強く舞う」、大曲「道成寺」は「〇〇く舞う」(※やはり秘曲ですので、一応伏せさせていただきます)、という様に教わっています。

今回も大変勉強させていただきました。そして、また改めましてご案内申し上げますが、私が10月に秘曲中の秘曲であります「道成寺」を勤めさせていただくことになりました。この曲に挑戦するためのステップアップの曲としましても、非常に良い経験をさせていただきました。

お越しくださいました皆様、ありがとうございました。